============== これは、勿論フィクションです。 =======
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。
午前9時。時間管理局。
出勤するなり、ボスは言った。
「五十嵐、お前は・・・疫病、流行り病をどう思う?」
「厄介ですねえ。簡単には解毒剤とか血清とか用意できないし。血清とは、血液が凝固した際に分離してできる、淡黄色で透明な上澄みの液体成分です。血液から細胞成分(赤血球、白血球、血小板)と凝固因子(フィブリノゲン)を取り除いたもので、主に血液検査(生化学・免疫検査)や、免疫抗体を含む血液製剤として利用されます。」
ボスは、拍手し、俺と握手した。
「よく出来た。で、差異の話。生じたのは、『名の国』。お前が高校生の女の子と『奴隷反対デモ』に関わった次元だ。可愛かったか?」
「はい。でも、かな子は最高です。」
「くそ。話を戻そう。時間軸は2020年。流行り病がなかなか静まる気配がないので、『名の国』の教育省は、大学や高校に『オンライン授業』を推奨した。詰まり、ネットを通じた授業だな。ココまでがデータベースにある真実。ところが、『名の国』の年鑑が変わった。教育省大臣が昏睡状態になったから、その計画は頓挫した。流行り病は2024年になって、漸く収束したが、2020年に入学した大学生は、1度も授業を受けることなく、卒業した。」
「そんな馬鹿な!!」「だろ?義兄よ。『名の国』を救え!!」
なんか独壇場だったな、と思いつつ、俺はMRIに似た移送装置に寝転がった。
シッパーが、現地の悪党と組んだに違い無い。大臣が病気でも代わりはいる筈だ。
睡眠学習で、その時代に近い時間軸で、各次元で流行病が流行っている。誤差があるのは、関与している隣国の情勢が簿妙に違うからだ。
2020年3月23日。『名の国』。教育省。
今日は、大臣が全国に通知を出す前の日だ。
教育省の職員は、慌てふためいていた。明日、発表する原稿が紛失していることが発覚したからだ。
俺はタイムリープした。
3月23日。午前0時。
教育省に、一人の男が忍び込んだ。明らかに3026年の未来人だ。
男はPCを起動し、あるファイルを削除した。
「復元アプリでも無理だ。」
「でも、無かったことにしたら?」
男が振り向いた時、誰もいなかった。
俺は姿を現わすと同時に、奴を『保安檻』に送った。
警備員がやってきた。
俺は、再び姿を消し、やり過ごしてから、未来に帰った。
3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
「ご苦労。ところで、流行り病については、どう思う?」
「まやかしです、きっぱり。病気そのものはあったが、長くは続かなかった。よってたかって、まだだまだだ、って誤魔化し始めた。『通常の風邪の亜種』なんですから。変異して弱体化して行ってる筈なのに、パワーアップしたことになった。」
午後7時。帰宅すると、かな子は熱を出していた。
おかゆを作ってやると、旨そうに食べた。
「お腹の子、順調みたい。」
「そうか・・・え?」
―完―


