その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は・・・国葬をどう思う?」
 「国で葬儀を行う価値があれば、当然のことです。」
 「お前はいい義弟だ。」
 「ありがとうございます。それって差異ですか?」
 「無論、だ。無駄話に見せかけて、お前の士気を高めている。」
 「管理職は大変ですね。で?」
 「うん。差異が生じたのは、『倭の国』。お前がハーフの外国人を救った次元だ。時間軸の前に時代背景だ。2022年7月8日。応援演説の最中に時の宗理矢部が凶弾に倒れ、死亡した。2022年9月27日。揉めに揉めて、元宗理の国葬義が行われた。そして、次の次の宗理貴志屋氏が、2023年4月15日。やはり銃撃された。この時は未遂に終った。ここまでがデータベースの真実だ。ところが、『倭の国』の年鑑が書き変わった。既遂、詰まり、殺人未遂事件ではなく、殺人事件になった。後を継いだ石名宗理は、矢部元総理のように、貴志屋元総理も国葬義にすべきだ、と主張したが、誰も賛成しなかった。、貴志屋元総理は、通常の葬儀が行われたのみだった。国葬義は『お別れの会』なので、『通常の葬儀をせず遺体をどう保存するのか』と言う者もいたが、矢部元総理は、通常の葬儀の上に、国葬義が行われた。さて、問題です。石名宗理は何故、貴志屋元総理も国葬義にしたかったのでしょう?」
 「答は簡単。俺、行ってきまーす。」

 MRIに似た移送装置に横たわり、俺は睡眠学習を受けた。
 やはり、政治家達の謀略に、シッパーが『一丁噛み』しているようだ。
 2022年7月8日。本当は、こっちの方を解決したいが、『見学』はしておいた。
 この『暗殺』で一番得をしたのは、貴志屋だ。監房長官の姿は、中継ぎだった。
 そして、貴志屋は、自分の人気を高める為、矢部暗殺時に酷似した状況を作り、『被害者』になった。それを見ていたから、石名は、シッパーの手先に・・・。

 2023年4月14日。石名家。
 石名の元にシッパーが現れ、耳元で囁く。今、貴志屋が死ねば、貴方の番だよ、と。
 石名が金庫に行ったところで、俺は姿を見せた。
 「まあ、それは、夢の中のことにしようよ。」
 俺は、シッパーを『保安檻』に送った。
 石名が戻った時、シッパーは、いなかった。
 石名は、金を金庫に戻した。クビを振りながら。

 3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
 俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 「実直だな、義弟よ。」
 「よく言われます。」

 午後7時。帰宅すると、夕食に、かな子はトンカツを作っていた。
 「さて、問題です。この料理を作ったのは、誰でしょう?」
 「愛する妻です。」
 「後で、ご褒美あげるわ。」
 ふと、部屋の隅を見ると、新しいドリンク剤が積んであった。

 やる気満々だな。

 ―完―