その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は・・・当り屋と煽り屋、どっちが好きだ。」
 「どっちも嫌いです。どっちも犯罪です。」
 「ファイナルアンサー?」
 「ファイナルアンサー。」
 「じゃ、差異の話。差異が生じたのは、『造の国』。お前がテレビ局に乗り込んだ次元だ。時間軸は2020年6月30日から妨害運転、詰まり、煽り運転に対する罰則と行政処分が設けられた。これがデータベースの施行日だ。しかあし、年鑑が書き変わった。2020年7月1日に。理由は、国内交通省大臣が、何者かに誘拐拉致されたからだ。」
 「1日、ですか。影響、あまりないのでは?」「大臣が交代してもか。」
 「シッパーに依頼した人物がいる。そうか。6月30日に事件起こすのに邪魔だったのか。」
 「お前、頭いいな。」
 「ありがとうございます。」「かな子の献身的な、内助の功、のお陰だよね。」
 「ふぁ、ファイナルアンサー。」

 あまり良い気分じゃないが、俺はMRIに似た移送装置に寝転がった。
 睡眠学習によると、この日は、外国の要人がやってくる予定の日で、空港から政府に向かう自動車に乗った交通省大臣が誘拐された。高速に乗った時、後続車が『煽り運転』で、誘拐されたのだ。そして、その後刻、幾つもの『煽り運転』で、金品が奪われた。
 大臣誘拐犯人は、施行日を1日ずらすように要求した。
 詰まり、『駆け込み犯罪』だ。結局、大臣が開放された後の7月1日。大臣は、日付を溯って6月30日に犯行を行った者に対する『妨害運転』で扱うことを大臣は、宗理大臣、法律大臣に要請したが、犯人達は一人も捕えられず、大臣交代という異常な事態になった。

 2020年6月30日。『造の国』。
 タイムリープして行き、事件現場に到着した。
 俺は、拝借した白バイに乗って、煽り運転をして、要人と大臣を乗せた自動車を追い越したポイントで追いついた。
 「はい、煽り運転現行犯ね。・5年以下の懲役または100万円以下の罰金になる覚悟は出来てるよね。違反点数も35点。免許取消しだな。」
 「何で判った?」「未来人だからさ。アンタを『保安檻』に送る。アンタが頭に浮かべた『お仲間』もね。」
 俺は、誘拐『未遂』犯人達と、待機中の犯人達を『保安檻』に送った。
 そして、それぞれのクルマを消し、要人の乗った自動車のドライバー、大臣、要人の記憶を一部消した。

 3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
 俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 「ご苦労。元に戻ったよ。」
 言葉、少なく無いか?

 午後7時。帰宅すると、かな子はベビーカーを操り、あちこち走り回っている。
 妊娠が判ったからって、もうベビーカーか。
 「おいおい。煽って運転しない。」
 「了解しました。」と言って、かな子は夕飯の準備を始めた。

 何かがおかしい。
 着替えをして、寝室を覗いて後悔した。

 恐い。

 ワンダーランドが存在した。

 ―完―

 ※煽り運転は、2020年まで明確な罰則が定められていませんでした。
 しかし、2017年6月に東名高速道路下り線で発生した煽り運転で一家4人が死傷した事故によって、煽り運転が社会問題として大きく取り上げられたことや、煽り運転の増加による危険性の高まりが厳罰化のきっかけになりました。
 ※煽り(あおり)運転に該当する10種類の違反行為
 1.車間距離不保持:車間距離を一気に詰めること
 2.進路変更禁止違反:急な進路変更を行うこと
 3.急ブレーキ禁止違反:急ブレーキをかける
 4.追越しの方法違反:危険が伴う追い越し
 5.通行区分違反:対向車線へのはみ出し
 6.警音器使用制限違反:クラクションを頻繁に鳴らす
 7.減光等義務違反:パッシングを頻繁に行う
 8.安全運転義務違反:幅寄せや蛇行運転
 9.最低速度違反:高速道路で最低速度を下回って走行する
 10.高速自動車国道等駐停車違反:高速道路での違法な駐停車。

 ※煽り(あおり)運転に遭遇した場合の対応
 1.冷静に安全運転を徹底する
 2.安全な場所を探し、駐停車する。
 3.車内のドアをロックして警察へ通報する。

 ※私見ですが、全方位型のドライブレコーダーを設備するといいと思います。