その名は時間管理局

 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は・・・約束は好きだよね。」
 「当然です。今更、何言ってるんすか。ボス、過労ですか?」
 「ファイナルアンサー?」
 「もう・・・ファイナルアンサー。」
 「うん。今回の差異は、『約束』に関してだ。差異が生じた場所は、『皇の国』。お前が臼田たか子という皇族を助けた次元だ。お前、たか子ともヤッたのか?」
 「ボス。下品です。時間軸は?」
 「2025年。この年。『皇の国』と『加』国は、『刑事共助条約』を結んだ。この種の条約は、立て続けに行われ、8か国目だった。それが、データベースの真実だ。ところが、12月12日。加国の大使の乗る旅客機が行方不明になり、条約は、お預けのままになっている、という歴史で年鑑が書き変わった。」
 「お預けって・・・100年経ってるじゃないですか。」
 「忌まわしい事故を想起するから。だと。おかしいよね。」

 俺は憤然と、MRIに似た移送装置に向かった。先日の新しいコートと共に、何か新しい腕時計が置いてある。わざわざ右腕用、と書いてある。
 俺は、腕時計を嵌めてから、寝転がった。
 睡眠学習によると、皇族一派の中に反対派がいたようだ。詰まり、加国と仲良くしたくないのか、スパイがいるのか。多分、後者だ。そいつがシッパーの手を借り、邪魔をしたか。

 2025年12月12日。
 俺は、いきなり、『皇の国』に向かう旅客機の主翼の上に跳ばされた。
 何故、落ちない?呼吸も出来る?
 そうか、もう1つの腕時計だ。
 シッパーの手先は、旅客機本体側に立っている。
 「誰だ?」
 こっちの台詞だ。そう思った瞬間、俺はもう、奴を『保安檻』に跳ばした。
 旅客機の中から見ている人物が一人だけいた。
 俺は、そいつを、そいつだけを海に『不時着』させた。
 そして、念じた。未来を。3026年を。

 3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
 俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 ボスがやってきた。
 「『皇の国』から感謝状が届いたそうだ。」

 午後7時。帰宅すると、かな子は『デカリボン』をしていた。
 まるで、『バブル』の頃だ。
 「メッシーは、出来てるわよ、ダーリン。」
 「あ。ありがとねー。」

 ―完―

 ※刑事共助条約(協定)は、捜査共助の実施を条約上の義務とすることで捜査共助の一層確実な実施を期すとともに、捜査共助の実施のための連絡を外交当局間ではなく、条約が指定する中央当局間で直接行うことにより、手続の効率化・迅速化を図るものです。これまでに米国、韓国、中国、香港、EU、ロシア及びベトナムとの間で締結しています。また、ブラジルとの間では、令和6年1月25日に日・ブラジル刑事共助条約の署名が行われたほか、カナダとの間では、令和7年12月12日に日・カナダ刑事共助条約の署名が行われました。
 ※刑事に関する共助に関する日本国とアメリカ合衆国との間の条約
 ※刑事に関する共助に関する日本国と大韓民国との間の条約
 ※刑事に関する共助に関する日本国と中華人民共和国との間の条約
 ※刑事に関する共助に関する日本国と中華人民共和国香港特別行政区との間の協定
 ※刑事に関する共助に関する日本国と欧州連合との間の協定
 ※刑事に関する共助に関する日本国とロシア連邦との間の条約
 ※刑事に関する共助に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の条約
 ※刑事に関する共助に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の条約
 ※日・加刑事共助条約の署名