その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は・・・暗殺は好きじゃないよね。」
 「え?ボス、狙われているんですか?今日は早引きして下さい。今日は休みにしましょう。」
 「熟練技だな、お前のボケは。差異の話に決まってるだろ?場所は、『弁の国』。お前が弁護士を守った次元だ。時間軸は2002年。ある議員が暗殺された。右翼団体にな。柳刃包丁で。搬送先の病院で石山議員は亡くなった。こういうのにありがちだが、被疑者の以東は、「逆恨みで殺した」と、尤もなことを言い、出頭した。これがデータベースにある真実だ。ところが、石山議員は、3026年に現れた。偽の戸籍だが、同一人物だ。」
 ボスがそう言った先のディスプレイを見ると、2人の人物の写真が並んでいた。
 「同一人物だ。」と、俺は言った。

 俺は、MRIに似た移送装置に横になった。
 睡眠学習によると、明らかに『身代わり殺人』だが、警察は、さっと処理したようだ。
 シッパーは、まだ『実験』したいようだ。

 2002年10月25日午前10時35分頃、世田谷区代沢。石山家の自宅玄関前。
 柳刃包丁で刺された、と思ったら、ワゴン車に乗せられた。
 そして、一人の死体がトラックから落された。

 俺は佇んで見ていた。「ホームレスを利用したか。」
 俺は15分前にタイムリープした。
 そして、議員を、議員の妻の実家に跳ばした。
 右翼の男が玄関をピッキングしようとした。
 「一足、遅かったね、右翼さん。」
 俺は、その男を『保安檻』に跳ばした。

 3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
 俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 「ご苦労。議員には気の毒だが、亡くなる運命を変えると、歴史が大きく変る。」
 「石山さんは、そんな大物ですか?」
 「睡眠学習の通りだ。あ、お前、本気で寝たな?」
 「いや、違います。野党でも、立派な議員はいるんですね。」

 午後7時。帰宅すると、何故か卓球台が。リビングのソファーを避けてセットしてある。
 「3本勝負よ。いい?」

 俺は、頭を抱えた。

 ―完―

 ※2002年10月25日、民主党の石井紘基衆議院議員が東京都世田谷区の自宅前で、右翼団体代表の男に刺殺された事件。不正追及で知られた現職議員の殺害は社会に衝撃を与え、犯人は無期懲役が確定。金銭トラブルによる犯行とされたが、背景や動機については多くの疑問が残された。
 ※事件概要: 2002年10月25日午前10時35分頃、世田谷区代沢の自宅玄関前で、石井議員が柳刃包丁で左胸などを刺され、搬送先の病院で死亡が確認された。
 ※犯人: 右翼団体「守皇塾」代表の伊藤白水(いとう はくすい)容疑者。事件翌日に警視庁へ出頭し逮捕。
 ※動機: 「アパートの家賃(約200万円)の工面を頼んだが断られ、逆恨みした」などと供述。
 裁判: 2005年11月、最高裁で無期懲役が確定。
 ※背景: 石井議員は特殊法人や国費の不正利用追及で知られ、事件当時も新たな汚職の追求資料を抱えていた。一方、犯人は日常的に政治家に金を無心していた。
 ※不透明な点: 判決では被告の「恩を仇で返された」等の供述は「荒唐無稽」とされた。そのため、利権追求に対する口封じの可能性など、単なる金銭的な恨み以外の背景が指摘され続けている。