============== これは、勿論フィクションです。 =======
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。
午前9時。時間管理局。
出勤するなり、ボスは言った。
「五十嵐、お前は・・・解散は好きじゃないよね。」
「え?もう???お世話になりました。俺一人じゃ仕事出来る数限られているしなあ。」
「お前、ボケが上手すぎる。差異が生じたのは、『聞の国』。お前が記者会見場に紛れ込んだ次元だ。時間軸は、1966年。『黒闇の事件』が起こった。時の佐幸宗理は、事態を収拾する為、12月27日、集議院を解散した。これが、データベースにある真実だ。ところが、年鑑では、佐幸が失踪して、3ヶ月も議会が空転したことになっている。そのため、後年、彼が世界的勲章を受けた事実も無くなった。」
「またですか。前日が怪しいですね。」
俺は、MRIに似た装置に根転がる前に、新しいコートを見た。
やはり、かな子と一緒になって良かった。
出逢った時も再会した時も、家庭向きでない気がしていたが・・・。
睡眠学習によれば、どうも宗理は、嵌められたようだ。
政治家やマスコミは、「脚を引っ張る」しか能がないのか。
1966年12月26日。『聞の国』。佐幸家近くの公園。
不審な男、発見。
どうやら、拳銃のチェックをしている。
「済みません。この辺にラーメンの屋台が出ているって聞いたんですが。」
「誰だ?」
「お気づきでしょう?シッパーさん。それ、ラーメン食うのに邪魔だな。」
俺は、拳銃を消した。
「な、何をした?」
「イリュージョン。知らない?」
男が懐のナイフを出している暇は無かった。
俺が、『保安檻』に送ったからだ、間抜けな男を。
犬を連れた、佐幸氏が通りがかった。
犬が吠えるので、仕方無く、「この辺でラーメンの屋台が出ているって聞いたんですが?」と言ってみた。
「ああ、それなら、ここじゃない。50メートル程先の公園だよ。じゃ、失礼。」
佐幸は犬を連れ、去って行った。
やっぱり大物は違うな。
3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
「ご苦労様。今夜は少し冷えるらしぞ。」そう言って、ボスは消えた。
午後7時。帰宅すると、上着を脱ぐなり、「早く食べましょ。今ね、屋台のラーメン屋さんが来たから、買っちゃった。」と、かな子は言った。
「たまにはいいね。」と、俺は言い、一緒に食べ始めた。
話、出来すぎ?まさかね。ま、いいか。
―完―
※1966年後半、自民党を中心に相次いで発覚した不祥事。一連の事件で自民党への国民の信頼は失墜し永田町を「黒い霧」が覆っていると批判されるようになった。
10月20日、佐藤栄作首相は衆議院予算委員会で綱紀粛正を所信表明。11月16日、自民党綱紀粛正調査会、「黒い霧」疑惑の調査結果をまとめる。
12月1日、自民党総裁選で佐藤は再選するが、対立候補の藤山愛一郎が予想外の善戦で注目を浴びる。12月3日、佐藤が内閣改造、福永健司と宮澤喜一を起用して旧池田派を取り込む。党人事では、幹事長の田中角栄を福田赳夫に替えた。
その後低下した求心力を回復するため、12月27日佐藤は衆議院を解散した(黒い霧解散)。逆境下の選挙戦となった第31回総選挙は翌1月29日に投票が行われたが、自民は善戦して予想外の微減にとどまり、佐藤は勝利を宣言。大山鳴動して鼠一匹の結果となった。
※歴史は繰り返す?


