その名は時間管理局

 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は、かな子と離婚したいか?」
 「なわけないでしょう。新婚ですよ!」
 「新婚ですよ!ってえばるなよ。」
 「えと・・・差異は・・・あ、裁判ですか。」
 「ご明察。ちぇっ!!差異が生じたのは、『薬の国』。お前が三谷沢教授と出逢った次元だ。時間軸は、2009年。この年の8月3日に、裁判協力員裁判の初公判が行われ、同月6日に判決が言い渡された。事案は女性刺殺事件、判決が懲役15年だった。これがデータベースだが、年鑑が書き変わった。裁判長の秋元弘氏が殺されたからだ。被告松前真の知人には全員アリバイがあって、この事案は迷宮入り。裁判は後年、やり直された。懲役16年だった。」

 俺は、MRIに似た移送装置に横たわった。アロハシャツがあった。
 ああ、真夏だな。
 睡眠学習によると、初めての民間参加裁判だから、恐ろしくスピーディーだったようだ。モデルケースだったからだ。シッパーは、愉快犯か。

 2009年8月5日。午後6時。『薬の国』。松前家。
 そう言えば、教授に出逢った時も真夏だったかな?

 ピザの配達員がチャイムを押す。
 鳴らない。
 俺が音を消したからだ。
 男は門扉を開けて入って行こうとする。
 俺は、奴を『保安檻』に送った。
 やばい。奥さんが出てきた。
 「どなた?」
 「水道工事関係の者です。明日、工事があるので、お知らせに回っております。」
 アロハでなく、半袖カッターシャツ着てきて良かった。
 「ああ、そう。ご苦労様。」
 俺は歩いて、松浦家を離れ、未来に跳んだ。

 3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
 俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 ボスが近寄ってきた。
 「保安檻から連絡が来た。シッパーの手下は、『実験』やりたかったんだと。何が実験だ。人間を何だと思っている。」
 ボスの正義感があるんだ、安心した。

 午後7時。帰宅すると、かな子は「永久懲役!」と叫んだ。
 「そんな刑hないと思うよ。」
 五月蠅く良いそうだから、かな子の唇を塞いだ。
 「替わらぬ愛、誓ったじゃないか。」
 「そうだっけ?」
 やれやれ。

 ―完―

 ※裁判員裁判の第1号(最初)の事件は、2009年8月に東京地方裁判所で開かれた、傷害致死事件や強盗強姦事件が挙げられています。それまで死刑求刑された事件はあったが、2010年2月には米子市会計事務所事件で初めての死刑求刑がなされ、同年11月には横浜地裁で初の死刑判決が言い渡されました。
 詳細なポイントは以下の通りです。
 第1号公判(東京): 2009年8月、東京地方裁判所で最初の裁判員裁判が実施された。
 第1号案件の性犯罪: 2009年9月、青森地裁で強盗強姦罪などの事件が、全国初の性犯罪裁判員裁判として実施された。
 第1号判決(札幌): 2009年11月、札幌地裁で懲役8年の判決が言い渡された。
 特徴: 開始当初は「自白」かつ「情状」が争点となる事件が多かったが、徐々に否認事件や重大な殺人事件へも対象が広がった。
 初死刑判決: 2010年11月、横浜地裁で強盗殺人事件に対して裁判員裁判初の死刑判決が出た。
 裁判員裁判は、市民の感覚を取り入れる目的で、殺人や強盗致死傷などの重大犯罪を対象に現在も行われています。
 (Google検索より)
 ※個人の見解です。
 最初は騒がれたけど、『不具合』多く、あまり報道されなくなりました。
 今は故人になった友人が、友人の弟に裁判員の通知が来て、随分と憤慨していました。
 友人の弟は知的障害の為、参加するのが困難だと訴えたのですが、市役所にも裁判所にも何度も足を運んだそうです。
 拒否権はあるのですが、『本人申告』であり、『家族申告』は想定外だったからです。
 その後、『審査』の上で除外するようになったそうですが、所謂『お役所仕事』は耐えがたいと言っていました。
 因みに、私には、『赤紙』来た事無いけど、断ります。もう普通に歩ける体ではないので。