その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は、汚職は好きか?」
 「好きって言う人、います?もう止めましょうよ、なぞなぞ。」
 「人の楽しみに茶々入れるな。差異に決まってるだろ。場所は『足の国』。寝込んでたお前が大学の警備員に追い出された次元だ2003年。政界への贈収賄が発覚し、『ヨクルート事件』と呼ばれた。就職情報誌『ヨクルート』の創業者江本弘が有罪判決を受けた。それが、データベースにある真実だ。江本が会長に就任した年、行方不明になっていたが、死体で発見された。それが、年鑑で現れ出た差異だ。その年が時間軸で、1988年だ。」

 俺は、MRIに似た移送装置に横になった。
 もう慣れたが、変な感じだ。
 睡眠学習によると、江本氏の開発した就職情報誌が爆発的に売れ、富を築いた。ライバル会社も多くあったが、2位以下と大きく水をあけていた。そして、関連会社は多く出来た。その歴史は、入口付近で幕を閉じてしまった。

 1988年6月某日。江本家。
 忍者の格好をした若者が庭に現れた。
 「そんな忍者いねえよ。」
 俺は、事件発覚と言われた日の前日に跳んだ。
 俺の言葉に振り返った男は、侵入直前に阻止されることになった。
 俺が『保安檻』に送った後、江本が出てきた。
 「何者だ?」
 その瞬間、もう俺は、そこにはいなかった。
 だが、男の忍者衣装が、そこに残っていた。
 しまった。
 「忍者?俺も昔、よくやったなあ。子供の忘れ物かな?」
 回収は無理だから、俺は未来に帰った。
 また、ボスに嫌味言われるなあ。

 3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
 俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 ボスがやってきた。
 何も言われなかった。良かった。

 午後7時。帰宅すると、かな子が『くノ一』の格好をしていた。
 「いつかまた、闘う時が来たらサア、これ着て行っていい?」
 「安かったの?」「うん、2万円。」

 聞かなきゃ良かった。
 着替えて、ダイニングキッチンに行くと、竹に包んだ、おにぎりがあった。

 うわあ。

 ―完―

 ※リクルート事件とは、1988年に発覚した、リクルート社が関連会社の未公開株を政財官界の有力者にばらまき、その後の上場で多額の利益を得させた(または得させる見込みがあった)贈収賄事件で、戦後最大級の政治汚職事件として竹下内閣を総辞職に追い込み、日本の政界に大きな衝撃を与えました。これは、リクルートの企業規模拡大と社会的地位向上のため、創業者・江副浩正氏が政治家・官僚らに恩恵を与え、見返りを求めたもので、公職選挙法の改正や企業コンプライアンスの強化を促す契機にもなりました。