その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は、大食いか?早食いか?」
 「二択ですか?早食いではあるかも。大食いは、かな子・・・。」
 「もういい。今回の差異は、フードファイターと呼ばれる『大食漢』の女性の亡くなった時機が違うことだ。差異が生じたのは、『声の国』。お前が銭湯で知り合った爺さんにビールを奢って貰った次元だ。時間軸は、フードファイター菅野初美さんは2023年3月に亡くなったとデータベースにあるが、『声の国』の年鑑が2022年に行方不明になった、と変った。そして。3026年に現れた料理研究家が、これだ。似ているだろう?」と、ボスは写真を並べた。
 髪型が違うが、同一人物に違い無い。今いなくなれば長生き出来る、と騙されたか。時間軸からすれば後年に存在するが、本人の寿命が延びる訳ではない。間違い無く詐欺だ。

 俺は、ボスが〇〇の次元だと解説するのは面倒だな、と思いながらMRIに似た移送装置に横たわった。
 睡眠学習での『予習』では、菅野は、大腸がんが発覚して引退、そして、翌年亡くなったと言う。俺は、行方不明になった日を覚えた。それが、がん発覚の前の日だ。

 2022年2月2日午後1時。菅野は、テレビ番組の収録の後、病院に定期健診に行く筈だった。
 俺は。彼女が乗ったタクシーを尾行した。
 案の定、病院にも自宅にも向かわない。
 俺は、タクシードライバーがシッパーと断定して、3026年の『保安檻』に奴を送った。
 そして、彼女を病院に跳ばした。
 更に、タクシーを消した。

 3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
 俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 ボスがやってきた。
 「『声の国』から、礼を言ってきた。人の死ぬタイミングは神様が決めるものだしな。お前は、神を信じるか?」
 「かな子を信じます。」

 午後7時。帰宅して、その言葉を後悔した。
 「菅野さんの料理、作り易いわ。何故かしら?」
 「いや、かな子の料理はいつも旨いよ。」
 「ありがと。」と言って、かな子は俺の股間を蹴った。

 このツンデレはついて行けない時がある。

 ―完―

 ※菅原さんは、テレビ東京系バラエティー番組「TVチャンピオン」の「全国大食い選手権」シリーズを継承した「元祖!大食い王決定戦」で、初代爆食女王のギャル曽根を下し優勝。2008、09、10年と大食い女王3連覇し殿堂入りを果たすなど2代目爆食女王として活躍。ギャル曽根らと並び、大食い第三世代の女王としてお茶の間の人気者だった。
 親しい仲間によると、菅原さんは死の直前まで「私の病気のこと、大食いに結びつけられないか心配」と話していたといい、大食いユーチューバー、もぐもぐさくらは「心配をかけたくないというのと、もし変に広まったら大食い界に影をさすようなネットニュースになってしまうから」と推測。大食い第三世代の親友だったエステ三宅も「病気が大腸じゃないですか? 大食いと関連づけられるのも嫌だから。全然関係ないんですけど、他の大食いの人にも迷惑がかかるので、とりあえず言わないでくださいと」と菅原さんから気遣いがあったと明かした。
 ※このエピソードは、菅原初代さんをイメージモデルとして書きました。
 亡くなられてから時間がかなり経っていますが、ご冥福をお祈りいたします。
 クライングフリーマン