その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は、『迷宮入り事件』をどう思う?」
 「早く解決したら・・・って、いつの話です?」
 「差異が生じたのは、『波の国』。お前が伊神と言う俳優を協力者にした次元だ。時間軸は、2000年。いや、2001年、いや、2000年か。」
 「どっちです?」「すまん。データベースに存在する事件は、2000年12月30日。『一家四人殺し』で、ホシは家人を殺害後、食事をして逃亡、目撃者や手掛かりがなく、残念ながら『迷宮入り』になっている。3026年の今でも不明なまま、だ。問題はここからだ。2001年1月31日。同様の事件が、その『迷宮入り事件』の現場と程遠くない現場で起こり、迷宮入りした。年鑑に突如現れた事件がそれだ。それが差異だ。」
 「模倣犯ですか。シッパーですね。もう3026年に戻って、今頃、どや顔しているでしょうね。元の事件はともかく、時間を越えたら、警察も捕まえようがない。」
 「そういうことだ。」

 俺は、MRIに似た移送装置に寝転がった。前回、真冬で寒かったと報告したせいか、防寒コートは用意してくれていた。
 睡眠学習によると、色んな説があったようだ。反社だから手が出せなかったとか、大物政治家の圧力とか、警察内部の犯行とか、隣国のスパイだから捕まえられなかったとか。俺は、この説が一番当たっているような気がする。次元管理局で働いていた時、どの次元でも隣国の干渉や支配が問題だった。ともかく、元の事件は終えないが、タイムリープを利用した犯罪は、俺の管轄だ。

 2001年1月30日。『波の国』。年鑑に載っていた、事件の現場。
 深夜に事件が起こっているから、午後11時を時間軸に選んだ。
 いたいた。
 ご丁寧に未来、3025年に流行った服装をしている。
 「ちょっと、道をお尋ねしたいんですが・・・。」と、俺は声をかけた。
 「どこへ行く道だ?」と、男は慌てて取り繕った。
 「あなたを逮捕する道ですよ。『模倣犯』の容疑でね。」
 男は拳銃を出したが、撃てなかった。
 俺が消したからだ。
 そして、俺は言った。「時間警察って聞いた事ないかな?答は要らないが。」
 俺は、男を『保安檻』に送った。

 3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
 俺は、タイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 ボスがやってきたので、試しに推理を言ってみた。
 「お前の推理は間違っていないだろう。その少し前の時間軸では、違う隣国から『拉致』された人達の事が問題になっていた。後年の考え方として、2つの隣国が協力していた、という説もある。食事をしてから逃亡なんて、普通は出来ない。『何かの見せしめ』という説もある。まあ、我々の管轄ではない。だが、推理力は必要だ。かな子が惚れただけのことはある。あ、褒めてないぞ。褒めてない。」

 午後7時。帰宅すると、かな子は言った。
 「褒められた?」
 「かな子。お前、俺が出勤した後、職場に跳んで用意するあるものがあれば用意しているだろう?そして、退勤時間前にお義兄さんと会話している。」
 「大した推理力だ、万華鏡。食事は、私にサービスしてからだ。来い!!」
 かな子は、ツンデレに加えて、俺の上司だった時に戻ることがある。
 やはり、サラリーマンモードが無難か。
 え?何本、ドリンク剤、飲んでいる?

 恐い。

 ―完―

 ※世田谷一家殺害事件(せたがやいっかさつがいじけん)は、2000年(平成12年)12月30日の深夜に東京都世田谷区上祖師谷三丁目で発生した、一家4人が自宅で殺害された殺人事件。警視庁の正式名称は「上祖師谷三丁目一家4人強盗殺人事件(かみそしがやさんちょうめいっかよにんごうとうさつじんじけん)」である。事件の被害者一家の姓を付けたり「世田谷一家惨殺事件」と呼ばれることもある。

 成城警察署に特別捜査本部が設置されている。現在も未解決事件となっており、捜査特別報奨金制度対象事件に指定されている。