その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は、平和は好きか。」
 「当たり前じゃないですか。だから、次元管理局で働き、今は時間管理局で働いているんです。きっぱり。」
 「なんだ、きっぱりって。まあいい。差異が生じたのは、『根の国』。お前が『隣国白旗宣言の日』を阻止した次元だ。時間軸は、2017年。若い坊さん達が宗派を越えたイベントを企画。2018年から平和の為の読経をするようになった。他の宗教が参加したこともある。ところがだ。」
 「データベースでは、そうなっているのに、『根の国』の年鑑が書き変わった。2017年か2018年に何かが起こって歴史が変った、ですね。」
 「お前、俺の台詞がないじゃないか。」
 「推理は、かな子に教わりましたが。」
 「んー、ならいい。」

 俺は、MRIに似た移送装置に寝た。
 睡眠学習によると、反対派の宗派、宗教団体、政治団体があったそうだ。曰く、『邪道』だと。
 利権だろう。単に平和を願うことが何故いけない?

 2018年。『根の国』。超宗派『平和を願う』実行委員会。
 いきなり、出くわせた。
 『反社会宗教集団布教反対』のプラカード持った連中がデモしている。
 そして、委員会に・・・。
 俺は、イベント日程が決まった1月15日に跳んだ。
 そして、ネットカフェに潜り込んで、不穏な動きをする宗教法人を見付け、行ってみた。
 宗教法人須郷開花会。政党五面党が隣接している。

 そこにシッパーがいた。奴がデモを企画し、知恵を付けたのだ。
 「デモのついでに破壊?違うよね。破壊する為にデモするんだよね。で、1995年の生物兵器事件の新興宗教団体のせいにする積りなんだよね。そう教えていたんだよね、シッパーさん。」
 奴が振り向く前に俺は消えた。
 奴が撃った弾は、壁にめり込んだ。
 俺は、奴の背後に回り、『金縛り』にして、スナップをした。
 シッパーは消えた。
 驚愕している、須郷開花会幹部と五面党の幹部に俺は言った。
 「俺は、時間警察だ。あんたらの悪事に干渉はしない。管轄が違うから消さないよ。」

 午後5時。時間管理局。
 タイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 ふう。ギリギリセーフか。
 ボスがやってきた。
 「差異は修復した、平和を願うイベントは毎年行われて、100年以上継続している。ところで、『時間警察』ってなんだ?」
 「お先でーす。」

 午後7時。帰宅すると、押売りセールスがいた。
 流石のかな子も困っている。
 「あ。ご主人ですか?」
 「ああ、要らないね。襖を観音ひらきすると、女神様が現れるから。」
 「はあ?」
 「観音様。こいつ、何か悪さしました?」
 「よ・・・良きに計らえ。」
 セールスマンは、諦めて帰った。

 午後9時。何か物音がするから襖を開けたら、観音様がいた。

 俺は平伏するしか無かった。

 ―完―

 ※「H1法話グランプリ」は、2017年に栃木県で真言宗豊山派の若手僧侶らにより発案され、2018年に超宗派の有志による実行委員会が発足。実験的な大会を経て、2021年から出場者を公募する形式で隔年開催されています。次回の「H1法話グランプリ2025」は、12月6日(土)に奈良市の「なら100年会館」で開催され、全国のイオンシネマでライブビューイングも行われました。