============== これは、勿論フィクションです。 =======
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。
午前9時。時間管理局。
出勤するなり、ボスは言った。
「五十嵐、お前は、洗濯は出来るか?」
「手洗いのことですか?」
「質問が悪かったな。家で洗濯しているのは誰だ?」
「愛妻のかな子です。」
「しれっと言うな。本題に入ろう。差異が生じたのは、『助の国』。お前が『外国人ファーストの政策に対するクーデター』を見た次元だ。この国の年鑑も最近変化があった。データベースでは『ななめドラム洗濯乾燥機』を開発したのが2003年のP社なんだが、年鑑の方は、外国資本のC社になっている。」
「産業スパイですね。時間軸は2003年ですか。」
「この差異を修正しても、クーデターは起きるが、今は立派に立ち直っている。飽くまでも、シッパーの犯罪対策だ。」
「了解しました。」
俺はMRIに似た移送装置に寝転んだ。
睡眠学習によると、電気洗濯機が普及して以来、色んな洗濯機が開発され、冷蔵庫と共に『白物家電』と言われ、輸出品の花形だったようだ。
2003年のP社の、マスコミを招いた発表会の日付は明らかになっている。
2003年〇月〇日。『助の国』。発表会会場。
P社専務が発表しようとマイクを持った瞬間、「ちょっと待ったあ。」と言った者がいた。
その男は、ライバル会社C社の弁護士で、スパイによって盗作されたので裁判を起こした、と宣言した。
俺は、前日のP社のプレゼン会議に忍び込んだ。
この時代のファッションとは違うようなスーツを着た男の記憶から、前日に改めて跳んだ。
発表会前々日。
男は、P社の社員のアパートに侵入、殺して、成り代わろうとしていた。
俺は、その侵入者を有無を言わさずに『保安檻』に跳ばした。
元の住人、P社の社員は驚いたが、俺の話をすぐに呑み込んだ。
「産業スパイを時間警察が捕まえたんですね?それで、僕の開発した洗濯機は大ヒットするんですね。」
「そうです。あなたの画期的なアイディアが世の中を変えるんです。もう邪魔は入らない。」
そう言って俺は、寝間着の彼を軽く眠らせ、布団に運んだ。恐らく、夢を見たことになるだろう。いい夢見ろよ、コウノスケ。」
データベースの記録では、クーデターの後、立ち直った国の産業を支えたのはP社だとあった。彼は、その時の社長だった。
午後5時。時間管理局。
タイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
「今日も、お疲れ、ご苦労さん。今夜が楽しみだね、うふふ。」
午後7時。帰宅すると、うふふの意味が分かった。
家には『新型人間洗濯機』が置いてあった。
「これで、お風呂の光熱費が浮くわ。私って素晴らしい主婦よね。」
「うん。取り敢えず、スーツと下着、脱いで来るね。」
俺が仕事している間、かな子は、兄であるボスとつるんで、『サプライズ』を演出するのが好きなようだ。
―完―
※パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、2003年に業界初のななめドラム洗濯乾燥機の生産を開始してから2022年9月末で、国内向けななめドラム洗濯機・洗濯乾燥機の生産累計台数500万台を達成しました。
パナソニックは、これまで、使いやすさと環境に配慮した製品を独自技術で具現化することで家事負担を軽減し、生活を豊かにする新たな洗濯文化を創造してきました。
2003年に静岡県袋井市の工場で生産を開始したななめドラム洗濯乾燥機は、回転軸を約30°傾斜させた全く新しい機構のドラム方式の採用により、お年寄りや車椅子をご使用の場合でも楽にドラムの底まで手が届き、簡単に衣類の出し入れができるユニバーサルデザイン(UD)と、水平ドラムの場合と同じ水位に保ちながら洗濯時の節水を実現。ドラム式洗濯機が日本で普及するきっかけとなりました。


