その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は、将棋は好きか?」
 「かな子には勝てませんが・・・。」
 「お前な。まあいい。差異が起こったのは、『連の国』だ。お雨が女性の国のトップを救った次元だ。時間軸は・・・2017年と推定される。この年に、将棋の大御所佐藤六三四(さとうむさし)、通称むさしんが現役引退をした、ところが・・・。」
 「3026年に現れ、将棋を?」
 「当たりだ。お前、ひとっ走り行って何とかしてこい。」
 「へい、親分。」
 「・・・。」

 俺は、MRIに似た移送装置に横たわり、睡眠学習をした。
 現役最長棋士だった、むさしんは人柄からかタレント扱いされた時期もあったが、2017年に引退、2026年に永眠した。今度もファンがシッパーに利用されて未来に連れて来られたか。
 引退会見をしたテレビ局と日付は判っているから、まずは、そこに行き、タイミングを計算するか。

 2017年6月20日。午後5時。『連の国』。TV局。
 MCのアナウンサーが慌てづためいていて、ディレクターの指示で『病気』で会見中止ろ発表された。

 俺は、睡眠学習で得た、むさしんに自宅に向かってタイムリープした。
 午前7時。佐藤家。
 家人に見送られて、散歩に出る、むさしん。
 むさしんの後を尾行している、2人の男。
 「むさしんさん、ファンなんです。引退の前にサインをして貰えませんか?」
 男の一人が言った。
 「どんな契約書にサインさせる気だ?未来のショーで将棋をさす為の契約書か?」
 もう一人の男が言った。
 「邪魔するな、時間警察!」拳銃の弾が俺に跳んで来た。
 俺は、即座に拳銃の弾と拳銃を消した。
 そして、シッパーの手先も、シッパーが連れてきた男も『保安檻』に送った。
 むさしんは、拍手した。
 「素晴らしいマジックだ。」
 「いえ、『3手先』を読んだだけですよ。むさしんさん。俺もファンです、未来の。」
 「つまり、『詰んだ』ということですか?」
 「はい。お元気で・・・と言うのも変だが、あなたの寿命はまだ先です。」
 そう言って、俺は未来へ帰った。

 午後5時。時間管理局。
 タイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンした。
 ボスがやって来て、「かな子に言いつけてやる。」
 「え?」「むさしんさんと話しただろ、お前。『連の国』の歴史は戻ったが、引退会見の内容が少し変っている。『まだ寿命がある、とある男に言われたので、これからは好きなように生きます。』という文言が『連の国』の記録に増えた。」

 午後7時。帰宅後。
 かな子は、将棋盤を用意していた。
 「1回でも勝ちそうになったら、夕飯あり。でなければ無し!!」

 キツい冗談だ。以前、かな子とさした時は決着が付かなかった。
 どちらも強くない証拠だが・・・。

 ―完―

 ※加藤 一二三(かとうひふみ)氏は、日本の将棋棋士。剱持松二九段門下。棋士番号は64。勲等は旭日小綬章。文化功労者。 「神武以来の天才」 ・「1分将棋の神様」の異名を持つ。 実力制6人目の名人で、戦前生まれの名人経験者としては最後の存命者であった。2017年6月20日に現役引退。 福岡県嘉麻市出身、同市の名誉市民。
 2026年1月22日午前3時15分、肺炎のため東京都内の病院で亡くなられました。86歳でした。ご冥福をお祈りします。