その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は、鉄は好きか?」
 「鉄の意志を持った、かな子は好きですが?」
 どうやら、ボスは白けた様子だ。
 「ん。んん。差異が起こったのは、『諍の国』。お前がジョディーと言う革命軍のサブリーダーと出逢った次元だ。革命は成功し、平和になっていた。ここまでがデータベース。が、主な輸出産業の製鉄が出来なくなった。国営なのに。隣国の『野蛮国』がまたも干渉してきて、『スチールスチール』と言う会社に乗っ取られてしまったからだ。他の国のダミー会社を通じてね。3026年に、その『スチールスチール』は世界企業になろうとしている。時間軸は、2074年4月1日。笑えないエイプリルフールだ。」

 俺は、MRIに似た移送装置に横たわった。
 睡眠学習によると、所謂公益法人で、国営ではなかった。
 詰まり、産業スパイが入り込んでいた。そのスパイに協力した者がシッパーだ。
 『悪のカルテル』。そんな言葉が頭に浮かんだ。

 2074年4月2日。『諍の国』。
 インターネットカフェを探して、状況を把握した。
 タイムリープして、3月31日に跳んだ俺は、会議で『契約書』を交わさせたスパイと、シッパーの手先を『見えない鎖』で拘束し、『保安檻』に送った。

 拍手が起こった。振り返ると、年老いたジョディーがいた。
 「久しぶりね、万華鏡。見事だわ。故郷に戻った、お陰で年齢の推移は普通になった。あなたがきっと助けに来てくれる。そう思って、後世に手掛かりを残したの。かな子は元気?会社は建て直すわ。後継者がいるもの。あなたの娘よ。」
 近寄って来たのは、40代くらいの女性だった。
 「初めまして、が、お別れの挨拶だなんて悲しいわ。でも、パパ。必ず建て直すわ。会社も、この国も。腹違いの、きょうだいが産まれて成人したら、私達のこと、話して。」

 よく似た親娘と別れた俺は、未来に帰った。

 2036年。時間管理局。
 タイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせると、アラームが鳴った。
 「タイムオーバーです。」
 その機械音を止めて、ボスは言った。
 「今回は、大目に見るよ。親子の対面、どうだった?」
 「どうして?え?データベースに記録されているんですか?」
 「暗号化してな。かな子にも言ってある。折檻するなって。」

 午後8時。帰宅した俺に、かな子は福豆を蒔いた。
 「鬼はー外―。」
 「まだ、節分じゃないだろ?」
 「順調よ、パ。パ。」と言いながら、かな子はお腹をさすった。
 「うっそー。」

 このツンデレ、どうにかならないかなあ。

 ―完―