その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は・・・。」
 「ボス。その儀式って要ります?」
 「ツカミだ。かな子は受けるって言ってたぞ。」
 「何ですか、その情報。前から気になってたんですけど、かな子とどういう・・・。」
 「兄だ。義兄だ。尊敬しろ。」
 「で、何の差異です。」「認めたか。お前の結婚式は、この病気で行けなかった。」
 「了解です。」
 スクリーンが現れ、2つの画像が再生されている。
 「左が2026年の頃のキューティー好天、右が3026年のキューティー好天。同一人物だと推定されている。場所は、『羨の国』。お前がクラシックコンサート会場で情報を仕入れた次元だ。」
 「詰まり、拉致されたキューティー好天が100年後の世界でイリュージョンをしている、と。仰天!好天が100年後も生きていた、とか。」
 「面白い。」

 俺は、ボスを無視して、MRIに似た移送装置に横たわった。
 催眠学習に入る前に思い出した。俺の家から飯食って出てきたな。義兄?
 義兄業務妨害ばかり受けてるな、俺は。
 催眠学習によると、イリュージョンのショーの、りんごっこホールから忽然と姿を消したらしい。
 シッパーが現れ、拉致したと考えるのが自然だ。理由は分からないが、それは、俺達の仕事じゃない。

 2026年1月11日。午後1時半。『羨の国』。
 ショーは、午後2時からだ。
 俺は警備員に成り済まして、楽屋を調べて回った。
 「キューティーさん、スタンバイお願いします。」と言ってきた舞台監督助手2人に俺は言った。
 「未来に跳ぶスタンバイかい?」
 男の一人が拳銃を撃った。
 俺は、弾を消し、拳銃を消した。
 そして、彼らを『保安檻』に送った。

 「脅かして済まない。」と俺がキューティーに言うと、「素晴らしい!!!!!!!凄いイリュージョンだわ。」と応えた。
 俺はダメ元で、時間警察だと名乗った。
 「じゃ、本当は100年後にショーをやっていたの?そっちの方が良かったかな?」
 「失敗すると、俺はクビになります。女房子供が路頭に・・・子供はまだだけど。」
 「まあ。じゃ、いい夢見せて貰ったわ。でも、拳銃を消すマジックくらいならいいでしょ?」
 「ま。まあ。」
 そう言って、俺は未来に戻った。

 3026年。時間管理局。
 俺がタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせていると、ボスが近寄ってきた。
 「朝は済まなかったな。つい、な。」
 「いいですよ、お義兄さん。その病気、治らないんですか?絶対。」
 「医者に聞けよ。ああ。『羨の国』から礼を言ってきた。本気でキューティーが生きていたと思っていた人が多くてな。お前がシッパーと一緒に『保安檻』に送り込んだのがシッパーへの依頼人だ。熱烈なファンだったらしい。特に、拳銃と弾が消えるマジックが好きだとか。」
 俺は、黙って頷いた。

 午後7時。
 かな子がいない。ひょいと顔を出すと、また、違う所から顔を出す。
 「どう?私のイリュージョン。」「ただのテレポーテーションでしょうが。」
 怒った、かな子は、俺の手に箸と、ご飯を持ったご飯茶碗を乗せた。

 「許して下さい、観音様。」
 すると、俺の体の下に、大きな掌が現れた。
 キューティーの仕業か?
 ―完―

 ※作者の趣味で、プリンセステンコーさんを登場させましたが、物語はフィクションです。
 ※プリンセス天功(本名・年齢不詳)は、初代引田天功の意志を継ぎ2代目を襲名した世界的イリュージョニスト(奇術師)で、水中イリュージョンなどで知られ、90年には女性初で「マジシャン・オブ・ザ・イヤー」を受賞、95年からは主人公モデルのアニメが全米でヒットするなど、日本だけでなく世界で活躍するミステリアスな存在です。
 ※でも、二代目引田天功は、1959年5月29日産まれ。本名は板倉満里子 (いたくら まりこ)、アイドルでデビューした時の芸名は朝風まり。彼女が2代目で突然デビューした時、筆者は遠く無い場所で仕事をしていました。