その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前は大学院は知ってるか?」
 毎度毎度、変ななぞなぞ。
 「はい。大学の上の教育機関ですね。」
 「不正入試を許せるか?」
 「言語道断です。あ、それ、もしかして?」
 「うん、差異が生じたのは、『裁の国』。お前が元活動家『赤藤登喜子』と出逢った次元だ。時間軸は、2023年。差異は、オンライン受験で不正があった筈の男の子孫が3026年に政治家デビューしたことだ。データベースでは、不正発覚して逮捕された男の子孫はいない。結婚歴がないからだ。当時も隣国人が関与したと言われたが、ばれて逮捕されたんだが・・・。」
 「ばれない細工をした者が・・・シッパーですか。」
 「そうなるな。」

 MRIに似た移送装置の睡眠学習によると、面接を受けた人物と容疑者の顔の特徴や語学力が異なることが分かり、逮捕に至ったと言う。
 身代わり受験したのは、隣国人だと判明。入学は取り消された。
 隣国人は、『スパイ』にする為の前段階のことだったと供述し、既に何人も送り込んだ、と言う。
 あの国では、『赤藤登喜子』は、活動家達の黒幕だった。
 全て片付いた訳じゃなかったのか。そう言えば、どの次元でも隣国人はしつこかったなあ。

 2023年。当該大学院の受験日前日。
 やはり、いた。
 未来人が、当時の隣国人に作戦を授与していた。
 成程。骨格や語学力が近い『そっくりさん』を用意したか。
 「どうせ、ばれると思うけどね。」
 俺の言葉に、2人からナイフと拳銃の弾が跳んで来た。
 俺は素早く違う場所に移動し、未来人の2人を『見えない檻』に閉じ込めてから、『保安檻』に送った。
 元の『替え玉』は、頭の中にあった自宅へ転送した。
 警備員がやってきた。
 俺は警備員の敬礼をした。
 「明日、配属の中村です。どんな所か見学に来ました。よろしくお願いいたします。」
 「そうか。私服でうろつくなよ。」
 そう言って、彼はどこかへ消えた。
 中村は、彼の頭の中にあった『実在の人物』で、明日来る予定だった。

 午後5時。時間管理局。
 タイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 「本当は、不正そのものを食い止めたかったかも知れないが、彼は不正が発覚して、入学取り消しになるんだ。それが、歴史だ。」

 午後7時。帰宅すると、かな子が変な機械で俺をスキャンした。
 ドキリとしたが、『往砂』よ。細かいから見えにくいの。洗浄セットも買ったわ。」と、かな子は平然として言った。
 「通販?」「そ。隣の奥さんが買えかえって言うから。」

 こういう『不正』を見付ける機械は無いのかな?

 ―完―

 ※大学院とは、大学の学部で学んだ専門分野をさらに深く探究し、高度な研究能力や専門知識、職業能力を身につけるための高等教育機関です。研究者や高度専門職業人(法科大学院、ビジネススクールなど)の育成を目的とし、大学の「受身の学び」に対し、自ら課題を発見し解決する「主体的な研究」が求められ、修士号や博士号といった上級学位が授与されます。
 主な目的と機能
 専門性の深化: 特定の分野について、より深く、専門的な知識を習得します。
 研究者の育成: 基礎研究を推進し、研究者としての能力を養います。
 高度専門職業人の育成: 社会で活躍できる専門家(弁護士、会計士、ビジネスリーダーなど)を養成します。