その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。
 「五十嵐、お前はせっかちか?」
 毎度毎度、変ななぞなぞ。
 「せっかちじゃないけど、ボスのクイズは飽きました。」
 「お。はっきり言うねえ。偉くなったねえ。かな子に言いつけよう。」
 「なんで、妻が・・・指令は?差異は?」
 「やっぱり、せっかちだな。今回のは、お前以上にせっかちな奴のお節介が招いたお話。差異が生じたのは、『来の国』。お前が自殺しようとする教授を助けた次元だ。1968年に電話会社がポケットベル、通称ポケベルサービスを開始した。最初はビジネス用で、『ウナ電』に替わる通信サービスだった。『ウナ電』というのは、『緊急電報』でモールス信号を使った。で、1990年にポケベルが当時の女子高生に流行り、語呂合わせメッセージで数字の暗号文が送られた。で、3026年の年鑑が書き換えられた。1990年に所謂ガラケーが一部で流行った、と。無論、公衆回線網がないと、ガラケーは使えない。だが、女子高生達は、便利ツールとして使い始めた。文化が少し変ったんだ。」
 「どういうことです?」
 「ガラケーの機能を列挙してみろ。」
 「最初からでは無くても、電話の他にメール、アラーム、電卓、ゲーム・・・あ。」
 「そう通信回線を介さない、その3つは、公衆回線がない今でも使える。バッテリーは必要だがな。」
 「つまり、未来から茂市混んだ奴がいるんですね。」「そう。まだ開始出来ていなくてもオモチャとして血ようできた。」

 MRIに似た移送装置の睡眠学習でボスの言うことが飲み込めたが、どこに行けばいいか判らない。

 1990年。『来の国』。
 思いついて、オモチャ屋を片っ端から当たって、尋ねてみた。
 「違法行為じゃないよ。オモチャなんだから。」
 あるオモチャ屋で、偽の警察手帳を見せ、情報を得た。
 『毛色の変ったポケベル』を持った人物の住所を聞き出し、向かった。
 家の前で取引している学生と男。
 「君は、違法行為だよ、シッパーさん。」
 俺が声を掛けると、慌てて逃げ出した。
 俺は、すかさず奴を未来に送った。
 そして、彼からガラケーを回収し、消した。
 「僕も消すの?」「ああ。記憶をね。」
 俺は、ガラケーを回収し、彼の頭に少し電気ショックをかけた。

 俺は、未来に帰った。

 午後5時。時間管理局。
 俺は、タイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 「単細胞は洗脳されやすい、それだけのことさ。気にするな。


 午後7時。かな子はフラダンスを踊っていた。
 「何やってんの?」「ストレッチ。もっと子作りに励めるように。」

 頭がくらくらしてきた。

 ―完―

 ※ウナ電(うなでん)とは、かつて日本で使われていた至急電報(「Urgent(アーセント)」の「Ur」のモールス符号「・・-・」を音訳して「ウナ」とした)の略称で、非常に速い配達を意味する言葉でした。1976年(昭和51年)にサービスが廃止されましたが、朝の連続テレビ小説などでも登場し、現代でも「緊急」「最速」を意味する業界用語や比喩表現として使われることがあります。
 ※日本のポケットベル(ポケベル)サービスは1968年に日本電信電話公社(電電公社)が東京23区で開始しました。当初は呼び出し音を鳴らすだけのシンプルなもので、ビジネス用途が中心でしたが、1987年に数字表示機能が追加され、1990年代に入ると女子高生を中心に語呂合わせメッセージが流行し爆発的に普及しました。