その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。もう力石だと、ばれてるが、変な仮面を着けている。
 もう知らん振りするしかない。
 「五十嵐、お前は・・・お前、誘拐は好きか?」
 「好きなわけないです。」「では、誘拐犯人は憎いか?」
 「はい。ファイナルアンサー。シッパーが散々やって・・・差異の話ですよね?」
 「勿論だ。お前と忘年会のコントの打ち合わせしても意味がない。」
 「忘年会?」「差異が生じたのは、『盾の国』。お前が敏江と再会して、『コバエ捕獲』をした次元だ。時間軸は、1963年。近くの公園で遊んでいた子供が行方不明になった。その後、誘拐事件となり、犯人から身代金を要求してきた。だが、発見された時は白骨だった。犯人は死刑が確定し、1971年に執行されている。これがデータベースにある真実だ。ところが、年鑑が書き変わった。1966年に第一審で死刑判決が出た後、被告が行方不明になった。」
 「詰まり、誘拐殺人犯をシッパーが誘拐した、ってことですか。」
 「うむ。何処に連れ去ったとしても、許せんな。死刑になるべき人物なのに。行ってこい。」

 俺は、MRIに似た移送装置に寝転がった。
 睡眠学習によると、逆探知すら普及していなかった頃の事件で、後の、色んな事件に関わっている。ご多分に漏れず、マスコミが事件の捜査の攪乱を起こしている。どこの次元でも、勝手な奴らだ。

 1966年3月17日午後。裁判所の外。
 来た。お決まりのパターンだ。2機の円盤、飛来。
 「センサーで武装していることが判った。油断するな、万華鏡。」
 「局長!」
 「たまには運動せんとな。行くぞ、お前は左側から回れ!!」
 「了解!!」
 まさか、次元管理局の局長が助っ人とは。
 機関銃・散弾銃で攻撃してくる敵を潜り抜け、俺は、麻痺銃を撃ち続けた。
 そして、全員倒れたのを確認し、局長と共に、奴らを『保安檻』に送った。
 「万華鏡。お前、昆虫採集図鑑を作ったことがあるか?」
 「俺はないです。友人が作っていたので、見せて貰ったことはあります。」
 「シッパーが作っているのは、言わば犯罪採集図鑑だ。」
 「趣味、悪いですね。」
 「全くだ。先に帰るぞ。」
 次元管理局の局長は消えた。
 俺も、未来に帰った。

 3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
 俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 ボスは来なかった。この頃・・・まあ、いい。

 午後7時。五十嵐家。
 次元管理局局長と、かな子が、すき焼きを食っていた。
 着替えて合流すると、局長は言った。
 「時間管理局とも、共通の見解だが、敵との大戦が、そう遠くないかも知れない。闘いが終って、平和になったら、止揚と共に、子作りに励め。お前の任務は、当面他の者がやる。」
 「はい。」
 「さ、冷めない内に食べましょう。」
 かな子は、泣きながら言った。

 ―完―

 ※吉展ちゃん誘拐殺人事件(よしのぶちゃんゆうかいさつじんじけん)とは、1963年(昭和38年)3月31日に東京都台東区入谷町(現在の松が谷)で起きた身代金目的の誘拐殺人事件。吉展ちゃん事件とも呼ぶ。

 ※日本で初めて報道協定が結ばれた事件であり、この事件がきっかけで、被害者やその家族に対しての被害拡大防止およびプライバシー保護の観点から、誘拐事件の際には報道協定を結ぶ慣例が生まれた。また報道協定解除後の公開捜査において、テレビを本格的に取り入れ、テレビやラジオで犯人からの電話の音声を公開し情報提供を求めるなど、メディアを用いて国民的関心を集めた初めての事件でもあった。