============== これは、勿論フィクションです。 =======
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。
午前9時。時間管理局。
出勤するなり、ボスは言った。もう力石だと、ばれてるが、変な仮面を着けている。
もう知らん振りするしかない。
「五十嵐、お前は・・・お前、パワハラをどう思う?」
「いつもボスにパワハラ、受けてますが。」
「うう・・・かな子に訴えてやるぅ。」
立派にパワハラじゃないか。
「差異が生じたのは、『正の国』。ミミーと再会し、お前が一夫多妻だと知らされた次元だ。時間時は、1991年。便利通信商社、略して便通の社員が過労死した。お前は過労死しないから心配ない。裁判所で『過労自殺』が認められ、パワハラが一般用語になった。9年後。遺族は勝訴している。ここまでがデータベースだ。ところが、年鑑が書き変わった。その社員は、自殺する代わりに『シリアルキラー』になった。長年、謎のままでお蔵入りした。お前なら、どう推理する?」
「シッパーが近づいて自殺を止め、『洗脳教育』し、シリアルキラーが生まれる。」
ボスは、拍手した。
「100点満点で300点だ。行ってこい!」
変な褒め方。
でも、そういう経緯だろうなあ。
MRIに似た移送装置に横たわると、アロハがあった。
そうか。暑い季節か。
睡眠学習によると、かなりの長時間労働で、うつ病になったらしい。
可哀想に。奴を殺人鬼にしてはいけない。絶対に。自殺は止められないが。
1991年8月27日。『正の国』。便通社員の大仏(おさらぎ)満の家。
誰もいない家で、大仏は、首を吊る準備をしている。
庭から様子を伺う男がいた。
「どんな様子だ?」
「自殺幇助、に来たのか、万華鏡。落ちたモノ・・・。」
ミミーが放った手裏剣が、男に刺さった。
俺は、すぐさま、男を『保安檻』に送った。
すると、どこからか、黒装束の忍者が10人現れた。やはり、『保険』をかけてあったか。
もう一人、「くノ一」が現れた。
ナオだった。
猛烈な勢いで、2人のくノ一が10人の忍者を倒して行く。
俺は、続け様に、『保安檻』に奴らを送った。
鈍い音が聞こえた。
大仏が、首を吊ったのだ。
ナオとミミーは消えた。
恐らく、本部から緊急移送したのだろう。
若い女の子達には、目の毒だ。指令も、俺の助っ人以外聞かされていないに違い無い。
俺は、ホトケに手を合せ、未来に戻った。
3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
「ご苦労様。辛いか?」
「いえ。慣れました。俺は、『メンテナンス』係ですから。」
午後7時。五十嵐家。
帰宅すると、ナオとミミーと、かな子が、水炊きをつついていた。
「今日、4Pしたいって言うんだけど、どうする?」
「俺は、まだ『生きたい』!!!!!!!」
―完―
※電通事件(でんつうじけん)は1991年8月27日に電通の社員が過労により自殺した事件、およびこの社員の長時間労働について使用者である電通に安全配慮義務違反が認定された判例である。
※「過労自殺」という概念はこの事件によって初めてクローズアップされるようになったといわれる。
※1991年8月27日、電通に入社して2年目の男性社員(当時24歳)が、自宅で自殺した。男性社員の1か月あたりの残業時間は147時間にも及んだとされる。遺族は、会社に強いられた長時間労働によりうつ病を発生したことが原因であるとして、会社に損害賠償請求を起こした。これは、過労に対する安全配慮義務を求めた最初の事例とされ、この訴訟をきっかけとして過労死を理由にした企業への損害賠償請求が繰り返されるようになったといわれる。2000年、この裁判は同社が遺族に1億6800万円の賠償金を支払うことで結審した。
※判決では、酒席で上司から靴の中に注がれたビールを飲むよう強要されたり、靴の踵で叩かれるなどのパワーハラスメントの事実も認定された。
※私見ですが、筆者の知る限り、一般の会社では大抵「泣き寝入り」、転職の世話なんかとんでもない、というのが企業のスタンスでした。
電通は大会社だから、勝訴し得たと思います。


