============== これは、勿論フィクションです。 =======
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。
午前9時。時間管理局。
出勤するなり、ボスは言った。もう力石だと、ばれてるが、変な仮面を着けている。
もう知らん振りするしかない。
「五十嵐、お前は・・・お前、乾燥機って使ってる?」
「使ってます。便利ですよね、洗い物って・・・。」
「待て。何で分かった?」
「へ?」
「衣類乾燥機の話だと思わなかった?」
「・・・ああ、この間のは洗濯機だったから。あ、衣類乾燥機の方ですか。」
「違う。どちらの乾燥機でもない。凍結乾燥機という、特殊なものだ。凍結乾燥機は昇華の原理を利用し、熱を加えることなく水分を飛ばすことができる。差異が生じた場所は、『渡の国』。お前が渡航制限という問題に当たった次元だ。時間軸は、2006年。『渡の国』に無許可で『外国』に輸出したことで、一人の男が逮捕された。『輸出規制』だ。軍事転用可能なものがリストアップされており、そのアイテムの1つだったからだ、ここまでが、データベースにある真実だ。ところが、年鑑が書きかわった。凍結乾燥機も、その男も消えた。」
「大変じゃないですかぁ。シッパー?」
「他に誰か心当たりある?」
俺は、MRI似た移送装置に寝転がった。
睡眠学習によると。2006年8月10日に逮捕されていたが、2002年9月に不正輸出している。スパイは古くからいたのだ。俺には、家庭用の乾燥機は大丈夫なのか、と不安に なった。案の定、その不安を煽るデマが飛び交った。
2002年9月1日。午後9時。『渡の国』。ある港。
俺が跳んだ先には、円盤が飛来した。すかさず、別の円盤、つまり、時間管理局の円盤が現れ、トレーナービームを発射した。トレーナービームとは、牽引にも使えるが、『捕獲網』にも使える。
腕時計を通じて通信が入った。
「万華鏡くん。乗り組み員を移送するから、『保安檻』に送ってくれ。」局長の声だ。
間もなく、砂浜に大勢のシッパーが現れた。
ざっと30人か。「取引」の為に用意、しなくては、というところだろう。
俺は、撃って撃って撃ちまくった、『保安檻』に向けて。
そして、凍結乾燥機を、睡眠学習で得た、本来あるべき場所にもどした。
局長の円盤はすぐにいなくなっていた。敵の円盤と共に。
他の次元と、併行作戦か?
3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
ボスがやって来た。
「今回は3箇所同時に差異を起こしている。助っ人はアテにするな。お前なら出来る。」
午後7時。五十嵐家。
先月買った、食器乾燥機を眺める。
俺の背中に、かな子の胸が当たった。
「進。私達で守ろうね。どの次元も。他の次元も兄弟みたいなものだし。」
「そうだな。」
言った途端に股間を握られた。
「すけべ。すけべだけど、好き。」
俺は、複雑な気持ちだった。
―完―
※日本から海外へ輸出する際には外為法により様々な規制があり、それらは主にリスト規制とキャッチオール規制に分けられる。
※リスト規制では大量破壊兵器など軍事転用可能なものがリストアップされており、どの国へでもそれを輸出するには経済産業大臣の許可が必要になる。しかしリスト規制品より機微度の劣るものであっても、使い方によっては大量破壊兵器の開発などに寄与するものもある。そのため、リスト規制品に含まれなくても、そのように使われる恐れのある場合は輸出許可が必要になる。これをキャッチオール規制といい懸念品目リストや外国ユーザーリストなどで規制をかけている。北朝鮮の場合は他にも国連制裁決議に基づく経済制裁などによる輸出規制がある
※凍結乾燥機を無許可で北朝鮮に輸出したとして2006年8月10日北朝鮮籍の男が逮捕された。2002年9月に台湾を経由して凍結乾燥機1台を北朝鮮に不正に輸出した疑い。凍結乾燥機は生物兵器の製造に転用が可能で、キャッチオール規制の対象になっている。逮捕された男は「北朝鮮側から軍事目的で凍結乾燥機が必要という依頼があった」と供述している。
※軍事転用した国際事件は報道されていない。隠された事実があるかどうかは判らない。恐ろしいことです。


