============== これは、勿論フィクションです。 =======
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。
午前9時。時間管理局。
出勤するなり、ボスは言った。もう力石だと、ばれてるが、変な仮面を着けている。
もう知らん振りするしかない。
「五十嵐、お前は・・・緊縮財政って知ってるか?」
「不景気を何とかしようって政策ですよね。不合格ですか?」
「まあ、いい。お前は政治家じゃないんだからね。差異が生じたのは、『益の国』。お前が次元管理局局次長と再会した次元だ。時間軸は、ちょっと古い。1929年。この国は、世界恐慌に巻き込まれ、当時の井下大蔵相は金解禁を行ったが裏目に出た。その後、何度も国の苦境があったが、国は立ち直り、歴史は続いた。ここまでが、データベースだ。最近、変わった年鑑の記録によると、井下総理は失踪、経済が立ち直るまでに随分時間がかかった。」
「シッパーが誘拐もしくは葬ったんですね。」
「そういうことになるね。」
MRIに似た移送装置での睡眠学習は、難し過ぎて、眠る暇が無かった。
世評では、不景気のままなのは、総理の責任だ、という風潮があった。
そこに、付け込まれたのか。
1929年。『益の国』。
1929年(昭和4年)11月22日に金解禁に踏み切る大蔵省令を公布しているので、11月21日に俺は跳んだ。井下家。
案の定、深夜、ヒットマンが井下氏を襲った。
ロケットランチャー?凄い武器を持ち込んだものだ。
「手伝おうか?」俺がその男に声かけると、「間に合ってますよ、時間警察さん。」と言い、俺は拳銃を突きつけられた。
「間に合ってますよ、シッパーさん。」2人の男に素早く冷凍銃で撃ったのは、次元管理局の局次長だった。
「早く、送れ!」と言われ、はっとした俺は『保安檻』に2人を送った。
局次長は、長いキスをした。
「これからは、遊んでいる暇はないぞ、万華鏡。また、会おう。」
見た目は、どう見ても20代後半の局次長が実は50歳代ということの方が、俺には謎だが・・・。
3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
ボスはいない。
午後7時。五十嵐家。
「今日、局次長が応援に来てくれたよ。助かった。」
かな子を見ると、大きな山芋を手にしている。
「あなたより短いわ。」
俺は、知らん振りをした。
―完―
※1929年(昭和4年)10月のウォール街大暴落で混乱する米国ニューヨーク
緊縮財政と金融引き締め策によって約3億円の正貨が準備され、為替も急速に回復したため、日本政府は1929年(昭和4年)11月22日、翌1930年(昭和5年)の1月11日をもって金解禁に踏み切る大蔵省令を公布した。しかし、直前の10月24日にアメリカ合衆国ニューヨークのウォール街で起こった株価の大暴落に端を発した恐慌が世界中に波及し、世界恐慌を巻き起こした。これにより、日本の経済は金解禁による不況とあわせて、二重の打撃を受けることとなった。
※金解禁前の為替相場の実勢は100円=46.5ドル前後の円安であったが、井上蔵相は100円=49.85ドルという金禁輸前の旧平価での解禁を行ったため、実質的には円の切り上げとなった。円高をもたらして日本の輸出商品をあえて割高にし、ひいては日本経済をデフレーションと不況に導くおそれのある旧平価解禁を実施したのは、円の国際信用を落としたくない思いに加えて、生産性の低い不良企業を淘汰することによって日本経済の体質改善をはかる必要があるとの判断されたためであった。金融界においても、金融恐慌後の資金の集中によって体質強化が図られていたため、デフレを乗り切る自信が備わっていた[10]。また、為替の不安定に悩まされていた商社も金解禁に賛成し、海外からも金解禁を迫られていた。
※しかし、1930年(昭和5年)1月は、金解禁の時期としては最も悪いタイミングであった。政府が金解禁を急いだのは、1929年(昭和4年)までのアメリカの繁栄をみたためであったが、ウォール街大暴落がやがて起こる世界大恐慌の前ぶれであることを予見した世界の指導者は誰一人としておらず、井上蔵相もまた、再びアメリカ経済が活況を呈するだろうと考えていた。しかし、日本の金解禁は世界恐慌の幕が切って落とされたその時に実行に移された。金解禁を見越して輸出代金回収を早め、輸入代金支払いを繰り延べる「リーズ・アンド・ラグズ」によって国際収支の好調と為替相場の上昇が一時みられたものの、解禁後は一転して逆調となった。


