============== これは、勿論フィクションです。 =======
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。
午前9時。時間管理局。
出勤するなり、ボスは言った。もう力石だと、ばれてるが、変な仮面を着けている。
もう知らん振りするしかない。
「五十嵐、お前は・・・心神喪失をどう思う?」
「よく裁判で争われますよね。元々は精神疾患がある人間の犯行が立証しにくいから例外になっていたのを拡大解釈するようになったんですよね。判決出ると、ホントかなあってケース、多いですよね。それ、差異ですか?俺の手に負えないんじゃあ・・・。」
「まあ、慌てるな。差異が生じたのは、『論の国』。お前が、かな子に『指令の伝令』を受けて、デモのイカサマを収拾した次元だ。時間軸は、というか、発端の事件が起こったのが2012年9月。翌年、2013年5月28日に傷害罪に問われた男が無罪になった。判決理由は、当時熱中症にかかっていた被告が、『心神喪失状態』にたった為。ココまでがデータベースにあった真実だ。ところが、同年7月1日に傷害罪に問われた男も無罪になった。レイプまで行っているのにだ。」
「模倣犯、ですか。」
「そのとおり。お膳立てしたのは?」
「シッパー。」
「ファイナルアンサー?」
「ファイナルアンサー。」
あの「ファイナルアンサー」は止めて欲しいんだが、とにかく、MRIに似た移送装置に寝転がると、隣にアロハシャツがあった。かな子の愛情か?
睡眠学習によると、元の事件の被告はフェリーに乗り遅れ、野宿していた時に鞄を盗まれ、熱中症になりながら徘徊し、通行人に重軽傷を負わせている。「熱中症」が関係していることで、マスコミは大いに騒ぎ立てた。
模倣犯の方は、フェリーと関係なく、熱中症になりそうな気候の時の犯行で、「前例主義」の法則で無罪になっている。
明らかに、おかしい。
2013年7月1日。『論の国』。
当該時間と場所に行くと、模倣犯は犯罪を「楽しみながら」行っている。
どうせ、無実だから、というところか。
俺は、タイムリープして、前日に跳んだ。
翌日に様子を伺っていた男が、前日、『悪魔の囁き』をしていた。
俺が『保安檻』に、男を跳ばそうとすると、弾丸がどこかから跳んで来た。
「油断するな、万華鏡。」と言って、現れたのは、ナオだった。
俺は素早く動いて、『保安檻』に、男を跳ばした。
ナオの側に行くと、別の男がナオの足の下敷きになっていた。
俺は、そいつも『保安檻』に跳ばした。
「敵は、アンタの邪魔を考慮して動くようになった。いつか全面対決することになるだろう。第一夫人でなくて、残念だったな。またな。」
ナオは消えた。
また、大人になっていた。
局長が依頼したのか?俺の昔の仲間、俺の愛人達に。
3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
ボスがやってきたので、口頭で伝えた。
言い終わると、ボスはレコーダーを止めた。
「ペーパーは後でも造れる。これからは、時間圧縮の為、録音する。帰っていいぞ。」
帰宅途上、局長は電車に現れなかった。
電車通勤を義務づけられたのは、違う意味があったのか。
午後7時。
帰宅すると、ナオがいた。
おでん、が煮えている。
何が、またな、だ。
「どうしたの、ダーリン。」と、かな子は言った。
「そろそろ、おでんの季節も終わりかな、って思って。」
「今夜はサンピーしようか?」とナオが言って、俺は凍り付いた。
―完―
※熱中症障害事件
※神戸市中央区の公園で2012年9月、通りかかった男性2人を殴るなどして重軽傷を負わせたとして、傷害罪に問われた香川県丸亀市の男性会社員(31)の判決が28日、神戸地裁であった。
※片田真志裁判官は「会社員は犯行時、熱中症による急性錯乱状態で、心神喪失だった可能性がある」として無罪を言い渡した。弁護側によると、熱中症を理由に刑事責任能力を否定した判決は異例という。
※判決によると、会社員は同月9日夜、神戸発香川行きのフェリーに乗り遅れ、
野宿していたところ、かばんを盗まれたため、神戸市内を2日間にわたって
徘徊(はいかい)。同月11日午後6時頃、散歩中の無職男性(80)を殴り倒した後、顔を踏みつけるなどし、高次脳機能障害の後遺症が残る重傷を負わせ、通行中の
40歳代の男性の顔も殴り、軽いけがをさせたとして起訴された。
※会社員は2人と面識がなく、目撃者には「殴りかかられたので倒した」と説明し、兵庫県警の調べには「なぜ襲ったのかわからない」などと供述していた。
※地裁が職権で実施した精神鑑定では、会社員は2日間、睡眠や食事をとらず、
犯行当日の気温が28度、湿度が60~80%だったことから、「熱中症により、
意識混濁や被害妄想などの意識障害が生じていた」との見解を示していた。
※「熱中症障害事件」を題材にしていますが、本文の「模倣犯の犯行」は、フィクションです。
クライングフリーマン


