その名は時間管理局


 ============== これは、勿論フィクションです。 =======
 俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋をしていたが、時間管理局に『異動』になった。俺の使命は、この未来世界(3026年)から、所謂タイムリープをして逃げた犯人を追って、『悪さ』をしていた場合、逮捕し、局に移送させることだった。殺しはしないが、痛め付けること位は許されている。
 今の俺は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。

 午前9時。時間管理局。
 出勤するなり、ボスは言った。もうばれてるが、変な仮面を着けている。
 「五十嵐、お前は・・・密約してないよね?」
 「え?誰と?変な約束を内緒でする訳ないでしょ。してたら・・・かな子が可哀想です。」
 「ファイナルアンサー?」
 「ファイナルアンサー。」
 「ならいい。ついでに聞いてみたんだ。差異が生じた場所は、『信の国』。お前が、罠にはまった大臣の汚名を晴らした次元だ。時間軸は、1971年。外部省の女性事務官高井が、日毎新聞の政治部記者西銘に唆されて、機密を漏洩させた事件があった。その後、有罪判決を受けた。ここまでがデータベース。ところが、年鑑が書き変わった。」
 「漏洩事件が無かったことになったとか。」
 「そういうことだ。張り切って、行ってこい。」

 俺はMRIに似た移送装置に寝転がった。
 2014年(平成26年)7月14日。西銘は最高裁で有罪判決を受け、2023年2月24日に亡くなった。が、事件の発端はやはり、1971年か。それにしても、どの次元のジャーナリストも酷いなあ。どこの次元だったか、戦争から避難して来た女性にレイプしたヤカラもいたよなあ。

 1971年。『信の国』。
 俺は、日毎新聞以外の新聞記事を頼りにタイムリープを繰り返し、やっと、高井と西銘の接触した時間軸に到着した。明らかに未来人と判る男が、2人に近づく所を、俺は間髪入れずに『保安檻』に送った。
 事件を未然に防ぐことは出来ないが、後に裁かれているのだ。
 この事件自体を『葬る』ことで、シッパーにどんな利益があるのか知らないが、とんでもないことだった。

 3026年某月某日。午後5時。時間管理局。
 俺はタイムレコーダーシステムに体内時計をスキャンさせた。
 アラームが鳴った。
 ボスはやってこなかった。
 まあいい、お咎めあるなら、明日以降だろう。

 午後7時。
 帰宅すると、大川局長と力石が、かな子と水炊きを食べている。
 「お帰り。」
 かな子は、俺が着替えている間に、材料の追加をしている。

 食卓に着くと、大川は、「いつも無理させて済まないね。実は、ローテーション組んで君に対処して貰ってはいるが、敵の『悪戯』は、複数件、発生している。身重ではあるが、細君にも手伝って貰う時機が来るかも知れない。その覚悟はあるかね?」
 「はい・・・ファイナルアンサー。」

 久しぶりに、楽しい夕餉になった。

 ―完―

 ※西山事件(にしやまじけん)は、1971年に外務省の女性事務官が毎日新聞社政治部記者の西山太吉にそそのかされ機密を漏洩した事件。事務官は国家公務員法の機密漏洩の罪で有罪が確定し、西山はその教唆の罪で最高裁判所で有罪判決が確定した。

 ※新聞記者の名前から、西山事件、また、沖縄返還協定についての機密が漏洩したので、沖縄密約事件(おきなわみつやくじけん)、外務省機密漏洩事件(がいむしょうきみつろうえいじけん)、その他沖縄密約暴露事件(おきなわみつやくばくろじけん)、西山記者事件とも呼ばれる。

 ※日本国政府は密約を否定。東京地検特捜部は同年、情報源の事務官を国家公務員法(機密漏洩の罪)、西山を国家公務員法(教唆の罪)で逮捕した。

 ※記者が取材活動によって逮捕された事態に対し、報道の自由と知る権利の観点から、「国家機密とは何か」「国家公務員法を記者に適用することの正当性」「取材活動の限界」などが国会や言論界などを通じて大論争となった。一方で東京地検が出した起訴状で「(女性事務官と)ひそかに情を通じ、これを利用して」と書かれたことから、世論の関心は男女関係のスキャンダルという面に転換。週刊誌を中心としたスキャンダル報道が過熱して密約自体の追及は色褪せた。毎日新聞は倫理的非難を浴びた。

 ※起訴理由が「国家機密の漏洩行為」であるため、審理は機密資料の入手方法に終始し、密約の真相究明は東京地検側からは行われなかった。女性事務官は一審の東京地裁での有罪判決が確定。西山は一審では無罪となったが、二審の東京高裁で逆転有罪判決となり、最高裁で有罪が確定した。これらの判決はメディアの取材に関する重要判例となっている。メディア側では、女性事務官取材で得た情報を自社の報道媒体で報道する前に、国会議員に当該情報を提供し国会における政府追及材料とさせたこと、情報源の秘匿が不完全だったため、情報提供者の逮捕を招いたこともジャーナリズムの報道倫理上の問題として議論された。

 ※政府が否定した密約の存在については、2000年代にアメリカ合衆国で存在を裏付ける公文書が相次いで見つかり、当時の日米交渉の日本側責任者だった外務省元アメリカ局長の吉野文六も密約があったことを証言している。

 ※また、このいわゆる「密約」についてはのちの2009年から2010年に民主党の鳩山由紀夫総理と岡田克也外務大臣の指示で調査が行われ、結果が公表された

 ※同年3月29日、西山が機密文書をコピーする際に取材源を秘匿しなかったこと、さらにこれを提供された横路が電文のコピーをそのまま政府へ渡したため、決裁欄の印影から漏洩元が女性事務官であることはすぐに露呈した。翌30日、女性事務官は西山に極秘電文のコピーを渡した事実を告白した。同年4月4日、西山と女性事務官は外務省の機密文書を漏らしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで逮捕された。

 ※毎日新聞司法担当記者の田中浩は「検察が西山太吉記者と女性事務官との関係を切りこんでくるのは目に見えていた。低俗な倫理観で揺さぶられてはたまったものではない」として、起訴までは事実報道に徹して裁判段階で反撃に転じる方針を主張した。
 しかし、西山の逮捕を受けた社会部会は「西山記者の逮捕は言論の自由に対する国家権力の不当な介入だ。断固として反権力キャンペーンを展開すべきだ」とする意見が大勢を占め、慎重論は押し切られた。毎日新聞は西山逮捕後から大規模な「知る権利キャンペーン」を展開した。他紙も当初は、西山の逮捕は言論弾圧だとして日本政府を非難して西山を擁護した。

 ※同年4月6日、佐藤は総理番の記者との議論で社会党に極秘電文が渡ったことを疑問視し、社会党に渡ったことについて我々にも知る権利があると語り、「そういうこと(言論の自由)でくるならオレは戦うよ」と述べた。同月8日の参議院予算委員会において、佐藤は「国家の秘密はあるのであり、機密保護法制定はぜひ必要だ。この事件の関連でいうのではないが、かねての持論である」と主張した。この頃になると各紙関係者間で両者の関係が噂伝され、当時朝日新聞社会部記者の岩垂弘は、毎日を応援する記事を書いたがデスクから「あんまり拳を高く振りかざすなよ」と釘を刺された。

 ※同月14日、佐藤は福田赳夫外相に注意処分を言い渡し、外務省は女性事務官の上司である安川壮外務審議官を官房付とする懲戒処分を発表した。

 ※同月15日、東京地検は女性事務官と西山をそれぞれ国家公務員法100条違反(守秘義務違反)と同法111条違反(秘密漏洩をそそのかした罪)で起訴した。起訴状には、「ひそかに情を通じ、これを利用して」と2人の男女関係を暴露する文言が記された。同日、毎日新聞は「本社見解とおわび」として、「両者の関係をもって、知る権利の基本であるニュース取材に制限を加えたり新聞の自由を束縛するような意図があるとすればこれは問題のすりかえと考えざるを得ません。われわれは西山記者の私行についておわびするとともに、同時に、問題の本質を見失うことなく主張すべきは主張する態度にかわりのないことを重ねて申述べます」と夕刊に掲載し、専務取締役の編集主幹を東京本社編集局事務取扱いに、東京本社編集局長を社長室担当に、西山本人を休職とする措置を発表した。
 ※西山逮捕直後から展開された毎日新聞の「知る権利キャンペーン」は中止を余儀なくされ、他紙の日本政府への非難も終焉していった。

 ※翌16日に作家の川端康成が自殺して各紙の注目は遷移した。その後、『週刊新潮』が「“機密漏洩事件…美しい日本の美しくない日本人”」と新聞批判の論調で大きく扱った。週刊誌は「情を通じ」に着目し、センセーショナルに書き立てた。
 (ウィキペディアより)

 ※長くなりましたが、敢えて割愛は避けました。
 クライングフリーマン