聴感覚はオンオフが出来るようになったものの、邸の中では気遣う声が多いのでオンのまま生き物との会話を楽しんでいる。
そして、寝てる間に神気も落ち着いたので本日は現世の方のお屋敷にお父様とお母様と佐彦様とみんなで私を案内してくれることになった。
「こっちの使用人は定期的に変わるからね。でも、ここでは若奥様のメノウは次の女主人よ。なにかあればメノウが決定権を持っていることを忘れないで」
そんなお母様の言葉に頷きつつ、幽世の邸よりさらに豪華絢爛な邸の中を見て回る。
邸の主人たちが集まって移動ているのは目立つのですぐに気づいたのか、現世の使用人が二人急いでこちらにやって来るのが目についた。
「旦那様、奥様、若様。こちらにおいでとは気づかず申し訳ありません。そちらのお嬢様は?」
そんな声かけにお父様が振り返り、片手をあげて止める。
そしてお父様に並んだお母様も振り返り、美しい微笑みで答えた。
「この子は天宮に嫁いできた巫女姫よ。佐彦の嫁のメノウ。すでに儀式も済んで天宮の正式な巫女姫だから。しかと仕えるように」
お母様の言葉に駆け付けた使用人は深く頭を下げて、是の返事をする。
しかし、そのうちの一人はやや納得がいかない様子で問いかけて来た。
「契約の花嫁様は白鷗家の巫女姫と聞いておりましたが、今代白鷗家には巫女姫はおられなかったと記憶しております。ご令嬢は一体どこのお家の方なのでしょう?」
そんな声は、女性使用人から向けられた。
それに答えるのは私で良いでしょう。
「一ノ宮家から参りました、メノウと申します。しかし、母が白鷗家の巫女でしたので私も間違いなく白鷗の血を引く娘です」
本人から確実なる回答が得られるとは思っていなかったのであろう女性使用人は驚いていたが、私の返答にさらに声を上げる。
「白鷗にはここ数十年女児は居なかったと記憶しております。契約の花嫁でないのであれば、使用人の神力ある娘を仮嫁にとの話でしたので、てっきり仮嫁様かと思いましたが。本当に契約の花嫁様なのですか?」
使用人でありながら、どこまでも主人になる私への態度が疑いのままだ。
そこに庭の木々から教えられる。
『この女の娘が仮嫁候補だったから、巫女姫が本物だと思いたくないのよ』
『そうそう、霊力はあれど神力なんて持っていないただの人の子だというのに神の嫁になれると母娘でずうずうしく大屋敷で大きな顔をしているのよ』
『隣の執事頭は巫女姫の神気から契約の花嫁だって気づいたから何も言わないけれどね』
『母娘で神気も感じ取れないで神の花嫁になれると思っているのがおこがましいわ』
『そもそも、仮嫁なんてメノウが居るのだから取るわけがないのよ。そんな話神様たちは一度もしていないのに、人間は欲が深いから』
なんて続々と話が聞こえて来た。
この声を届けることが出来れば神人として、巫女姫としての力も見える形で示すことが出来るだろう。
「そう、それならこの子たちの声を聴くと良いわ」
私はほんの少し木々に私の力を注ぐ。
すると彼らの声は、人にも届くようになる。
『人の子の分際で本物の巫女姫を愚弄するとは。彼女こそ待たれた契約の花嫁。神の巫女姫ぞ』
『彼女の美しい紫の瞳と、白銀の髪が巫女姫の証。佐彦様と対成す、神の花嫁ぞ』
どこから聞こえるかも分からない不思議な声に女性使用人は驚いていた。
『偉そうな人の子、巫女姫に仕える気が無いのなら早々に邸より去るべし。巫女姫を愚弄するものを、この邸の生き物たちは許さない』
最後に告げて来たのは、目の前で口を開き翼を広げた庭先にいたシロサギであった。
鋭い視線を向けながら鳥が話すとは思わなかったのだろう、執事頭の男性も少し驚いていた。
それよりも、一気に詰められた女性使用人は一気に顔色を悪くしている。
「私は生き物たちの声を拾い、その声を佐彦様や猿田彦様、天宇受売命様へお伝えすることで神の仕事をスムーズに運ぶお手伝いをするのが仕事になるそうよ。こうして人々に聞こえるようにも出来るけれど、あなたには花や鳥や木々や虫たちの声が聴こえて?」
こてんと首をかしげつつ問いかければ、ようやく私には神人としての神気だけでなく巫女としての能力も持ち合わせていることを実感したようで顔色を悪くした。
「大変申し訳ありませんでした、若奥様」
異能を見せつけた形になったが、早々にこの能力はこの邸では抑える予定ではなかったのでこれで良いと思うことにする。
そのおかげで、女性使用人も早々に私についての認識を改めたようだしね。
そんなやり取りののち、執事頭が教えてくれた。
昨日から一ノ宮から佳也子と千佳子が天宮の邸に仕えるために来たという、私にとっての嬉しい知らせだった。
私の表情が綻んだことを知った佐彦様は穏やかに微笑み、執事頭に言った。
「その二人はメノウに良く仕えてくれた母娘だから、この邸でもメノウ専属にしてやっておくれ。大屋敷のメノウの部屋の管理や夜会の準備等はその二人に任せるように」
佐彦様の言葉に執事頭は、頭を下げて再度指示に是と答えるのであった。
そして、寝てる間に神気も落ち着いたので本日は現世の方のお屋敷にお父様とお母様と佐彦様とみんなで私を案内してくれることになった。
「こっちの使用人は定期的に変わるからね。でも、ここでは若奥様のメノウは次の女主人よ。なにかあればメノウが決定権を持っていることを忘れないで」
そんなお母様の言葉に頷きつつ、幽世の邸よりさらに豪華絢爛な邸の中を見て回る。
邸の主人たちが集まって移動ているのは目立つのですぐに気づいたのか、現世の使用人が二人急いでこちらにやって来るのが目についた。
「旦那様、奥様、若様。こちらにおいでとは気づかず申し訳ありません。そちらのお嬢様は?」
そんな声かけにお父様が振り返り、片手をあげて止める。
そしてお父様に並んだお母様も振り返り、美しい微笑みで答えた。
「この子は天宮に嫁いできた巫女姫よ。佐彦の嫁のメノウ。すでに儀式も済んで天宮の正式な巫女姫だから。しかと仕えるように」
お母様の言葉に駆け付けた使用人は深く頭を下げて、是の返事をする。
しかし、そのうちの一人はやや納得がいかない様子で問いかけて来た。
「契約の花嫁様は白鷗家の巫女姫と聞いておりましたが、今代白鷗家には巫女姫はおられなかったと記憶しております。ご令嬢は一体どこのお家の方なのでしょう?」
そんな声は、女性使用人から向けられた。
それに答えるのは私で良いでしょう。
「一ノ宮家から参りました、メノウと申します。しかし、母が白鷗家の巫女でしたので私も間違いなく白鷗の血を引く娘です」
本人から確実なる回答が得られるとは思っていなかったのであろう女性使用人は驚いていたが、私の返答にさらに声を上げる。
「白鷗にはここ数十年女児は居なかったと記憶しております。契約の花嫁でないのであれば、使用人の神力ある娘を仮嫁にとの話でしたので、てっきり仮嫁様かと思いましたが。本当に契約の花嫁様なのですか?」
使用人でありながら、どこまでも主人になる私への態度が疑いのままだ。
そこに庭の木々から教えられる。
『この女の娘が仮嫁候補だったから、巫女姫が本物だと思いたくないのよ』
『そうそう、霊力はあれど神力なんて持っていないただの人の子だというのに神の嫁になれると母娘でずうずうしく大屋敷で大きな顔をしているのよ』
『隣の執事頭は巫女姫の神気から契約の花嫁だって気づいたから何も言わないけれどね』
『母娘で神気も感じ取れないで神の花嫁になれると思っているのがおこがましいわ』
『そもそも、仮嫁なんてメノウが居るのだから取るわけがないのよ。そんな話神様たちは一度もしていないのに、人間は欲が深いから』
なんて続々と話が聞こえて来た。
この声を届けることが出来れば神人として、巫女姫としての力も見える形で示すことが出来るだろう。
「そう、それならこの子たちの声を聴くと良いわ」
私はほんの少し木々に私の力を注ぐ。
すると彼らの声は、人にも届くようになる。
『人の子の分際で本物の巫女姫を愚弄するとは。彼女こそ待たれた契約の花嫁。神の巫女姫ぞ』
『彼女の美しい紫の瞳と、白銀の髪が巫女姫の証。佐彦様と対成す、神の花嫁ぞ』
どこから聞こえるかも分からない不思議な声に女性使用人は驚いていた。
『偉そうな人の子、巫女姫に仕える気が無いのなら早々に邸より去るべし。巫女姫を愚弄するものを、この邸の生き物たちは許さない』
最後に告げて来たのは、目の前で口を開き翼を広げた庭先にいたシロサギであった。
鋭い視線を向けながら鳥が話すとは思わなかったのだろう、執事頭の男性も少し驚いていた。
それよりも、一気に詰められた女性使用人は一気に顔色を悪くしている。
「私は生き物たちの声を拾い、その声を佐彦様や猿田彦様、天宇受売命様へお伝えすることで神の仕事をスムーズに運ぶお手伝いをするのが仕事になるそうよ。こうして人々に聞こえるようにも出来るけれど、あなたには花や鳥や木々や虫たちの声が聴こえて?」
こてんと首をかしげつつ問いかければ、ようやく私には神人としての神気だけでなく巫女としての能力も持ち合わせていることを実感したようで顔色を悪くした。
「大変申し訳ありませんでした、若奥様」
異能を見せつけた形になったが、早々にこの能力はこの邸では抑える予定ではなかったのでこれで良いと思うことにする。
そのおかげで、女性使用人も早々に私についての認識を改めたようだしね。
そんなやり取りののち、執事頭が教えてくれた。
昨日から一ノ宮から佳也子と千佳子が天宮の邸に仕えるために来たという、私にとっての嬉しい知らせだった。
私の表情が綻んだことを知った佐彦様は穏やかに微笑み、執事頭に言った。
「その二人はメノウに良く仕えてくれた母娘だから、この邸でもメノウ専属にしてやっておくれ。大屋敷のメノウの部屋の管理や夜会の準備等はその二人に任せるように」
佐彦様の言葉に執事頭は、頭を下げて再度指示に是と答えるのであった。



