その声に部屋の入口へと振り返れば、私を迎えに来た佐彦様がこちらをほほえまし気に眺めて立っている。
お顔には迎えに来た時の仮面は無く、薄藍の瞳に紫紺の髪を緩く撫でつけた美丈夫が立っているではないか。
「佐彦様?」
私の声に、頷くと佐彦様は微笑んで隣にやって来る。
「邸の中では仮面が不要なんだ。そろそろ、うちの父と母も突撃してくるかもしれないが……」
なんて話しているところに、慌ただしい使用人の声が響いてきた。
「旦那様、奥様。若旦那様と若奥様は先ほどお屋敷に着いたばかりです。まだお屋敷のご案内も済んでおりませんし、神使のご紹介も、表の顔の使用人の案内すらできておりません!」と叫ぶ声と共に移動する足音が近づいてくる。
すでに響いてきた単語からすると、移動の際に聞いた神代の時代からの神様がこちらに向かっていることが分かるのみ。
花嫁としてお屋敷に招かれているのだからご挨拶はしてしかるべきだとは分かるが、着いて着の身着のままの色打掛を羽織っただけの姿で良いのだろうか?
色打掛の下は普段着の簡単な和装でしかないのだが。
そんな形で、思考しつつも固まっているうちに私の部屋だと言われたところに旦那様と奥様が到着した様子。
「佐彦。無事に花嫁を迎えに行けたのね!良かったわ。ようやく佐彦に花嫁が出来て!」
とっても楽しそうに歓迎ムードで入って来たのは、天宇受売命と言われる神代でも有名な女神様。
そのお隣には、猿田彦神がいてやはり神々しい。
佐彦様も美丈夫であられるが、ご両親たる神様たちも間違いなく美男美女の神様夫婦である。
「まぁ、本当に可愛い子。佐彦の母よ、よろしくねメノウちゃん」
とっても元気な明るい神様のお母様。
その隣には落ち着いた雰囲気の猿田彦神が寄り添っており、二人はとってもお似合いである。
「佐彦の父の猿田彦だ。昔からの約定がようやく果たされ私たちも嬉しい。白鷗家との約束は人の世が落ち着いた頃になされていたが、なかなか巫女が産まれず、生まれても十七歳になれぬまま儚くなっていてな。佐彦の花嫁が来てくれて、私も安心した」
白鷗家には巫女が産まれていたはずなのに、儚くなるとはこれ如何に?
まぁ、昔は短命だったりもあっただろうけれど。そんなに昔からの約束がようやく果たされたらしい。
「ざっと、二千年近いかしらね。ようやく約定の花嫁が迎えられて天宮も安泰だわ」とお母様は言っている。
さすがは神様といって良いのだろうか、約束に関する年代のスケールの桁が違うと思う……。
「ふふ、神様にとっては二千年もそんな大した時間ではないわ。私たちは悠久を司る者たちでもあるし、神に死ぬという概念は存在しないもの」
私は無事に天宮の大屋敷で神様たちに大歓迎で迎え入れられた。
「私で良いのでしょうか?」
お嬢様として過ごしたこともない、異能が顕現するとは聞いているがまだ異能の自覚は無い。
「もちろん。だってあなたが約束の娘であることは、その髪と瞳の色が証だもの。銀の髪と紫の瞳の娘を神の花嫁として迎え入れると白鷗家と約束していたからね」
そうして、ご両親との挨拶と共にそのまま衣裳部屋でのお着替えを済ませて一緒に食事をすることになった。 着替えたのは初めての、可愛らしいワンピース。
「家族での食事だもの、ドレスなんて着るだけで疲れるわ。お腹いっぱい食べてほしいし、ワンピースが良いわね」
というお母様の発言により、栄と松の二人が選んだのは佐彦様の瞳の色の薄藍のワンピース。
ふんわりとしたシルエットの柔らかくも可愛らしいワンピースは私にぴったりで驚く。私の驚きを察したのか着せつけてくれた栄が一言。
「ふふ。私、いい仕事しました」
栄によれば、私の様子を見に行く佐彦様についていき、私をじかに見た栄がサイズと容姿を把握し、こんな色が似合う、こんな生地が良いと佐彦様に直談判し生地を購入。ワンピースも着物もドレスも作ったのだという。
「栄、すごい。私も着物は縫えるけれど、ワンピースやドレスは着物以上に困難でしょう?」
和装より洋装の方が工程も多く作り上げるまでが大変そうだ。
「まぁ、たしかに大変ですが。私眷属も子も多いですから」
糸目で微笑む栄は確か、蛙の神使。
確かにお子さん多そう。
「栄の一族は天宮の一族の衣装を一手に引き受けているのです。数がものをいうのと、意外と手先も器用だし、デザインなんかも学んで反映するので天宇受売命様もいつも喜んでいるのですよ」
栄について語る松も誇らしげ。
自分たちの仕事に誇りをもって仕えていることが伝わる。
「松の一族は掃除や屋敷の修繕に料理を一手に引き受けているのですよ。神使も得手不得手があるので、分担してお屋敷を回し、主人を支えているのです」
この都一の大屋敷は神様の住まい、それを支える神使で成り立っているのだと私もここに来て感じた。
「おや、清廉なる花嫁様ですな」
そんな声が聞こえたのは、食堂に向かう道すがら。
「おや、爺がここに居るのも珍しい」
爺と呼ばれた男性は私を見つめながら微笑んだ。
「良き花嫁様を迎えられてなによりじゃ。異能の顕現も直であろうな。庭が歓喜しておるから」
そんな言葉を残して、爺と呼ばれた男性は立ち去る。
「今のおじいさんは?」私の疑問には松が答えてくれた。
「爺も神使の一人で狸なんだ。庭師だよ」
この広い大屋敷の庭を管理する庭師さん。
それにしても、庭が歓喜ってどういうことなんだろう?私が疑問に思っているうちに食堂へとたどり着いた。
「あぁ、良く似合っている」
食堂に着いた私にまずそう声をかけてくれたのは佐彦様。そして、迎えに来て手を引かれて佐彦様の隣の席に案内されて座る。
「佐彦の色が良く似合うわね。とっても素敵よ、メノウちゃん」
先ほどと同じように、楽しそうに声をかけてくれるお母様に、同意するように頷くお父様。
「これは、いろいろ服を作らねばなるまい。栄、好きなだけ生地を買ってメノウの服をもっと作りなさい」などと、お父様が言い出したのには驚いた。
「父上、メノウは大変綺麗なので衣裳部屋が一つでは足りないかと。三つに増やしたいのですが」
いやいや今の衣裳部屋もまだゆとりがあります、それをあと二つも作るとはどういうことなのでしょう?
私の身体は一つしかありません、服は一日に寝巻と昼間の服で二着が限界ではありませんかね?着るの。
さすがに声に出して言えないから心の中で言っています。表情に出ていたようで、お母様がけろっとおっしゃいます。
「このまま佐彦と結婚して契りを交わすとメノウちゃんはね、神様の嫁として神人になるの。だから、人の理から外れて神様と同じような存在になる。寿命も無いし、老いないから今のサイズでたくさん服を作っておいていいのよ」という説明に、私は驚いたまま固まってしまったのは言うまでもなく。
人じゃなくなるのがどういうことか、神様と同じような存在って言われても想像できない。神様にも初めてお会いしたくらいだし。
「どう変わるのかが、想像もつかないですが。分かりました」という返事しか出来なよね……。
しかし天宮家はつまり神様が当主のお家だとすると、ずっと当主が変わっていないお家だから繫栄し続けているということになるのだろうか。
「天宮家はね、表立っては当主交代しているけれど実質私たちがずっとこのうちに居るから栄えているとは言えるわね。国のトップだけは私たちの正体を知っているの。そして加護を与えるかは私たち次第だから。国の守りが強固か否かはその時の国のトップ次第なのよ」
神様ですものね、気に入るかは神様次第なのだからそれはそうとしか言いようがないような。
「国の守りとは?」
そんな私の疑問にはお父様もお母様も微笑むだけで答えてはくれなかった、もちろん佐彦様も。
「あなたが、私と夫婦の契りを交わしたら、お教えしましょう。あなたが神人になった時に」
それに頷き、食事会はスタートした。
一ノ宮で質素な夕飯にカステラが一切れで終わっていたので、食事会の食事も食べられた。
九つの仕切りのある器に、綺麗に盛り付けられた和食は華やかでとても美味しくてびっくりした。
こんなに美味しい料理があるのだと、感激でお肉も魚もお野菜もどれでも美味しいのが素晴らしいと完食してしまった。
ちゃんと質素ながらいつもの夕飯を食べていたのにと自分の食欲に驚いていると、そんな私をお父様もお母様も佐彦様も微笑ましそうに見守ってくれた。
「さて、そろそろかしらね」
そんな一言と共に、私の中でカチっと何かが切り替わった感覚がすると庭先の蝶や鳥の声が聞こえてくる。
『ようやっと佐彦様に花嫁が来た』
『ほんに可愛らしい花嫁様だこと』
『神使達もえらく気に入ったのは、この清廉な気のおかげだろうね』
『あなたたち私たちの声、彼女には届くみたいよ?』
最後の声は食堂の庭先にある大きな桜の木からだった。
「鳥も、虫も、木の声すらも聞こえるようなのですが」そんな私の言葉に、皆は一つ頷くと佐彦様が言った。
「メノウの異能は、生き物の声を聴くことだね。それは生きる物であればどんなものの声でも聴ける稀有な異能だよ。私の仕事も一緒に手伝ってもらえると有難いな」
そんな佐彦様の言葉に頷きつつも、いきなり聴こえ始めた声に戸惑いを隠せないのだった。
お顔には迎えに来た時の仮面は無く、薄藍の瞳に紫紺の髪を緩く撫でつけた美丈夫が立っているではないか。
「佐彦様?」
私の声に、頷くと佐彦様は微笑んで隣にやって来る。
「邸の中では仮面が不要なんだ。そろそろ、うちの父と母も突撃してくるかもしれないが……」
なんて話しているところに、慌ただしい使用人の声が響いてきた。
「旦那様、奥様。若旦那様と若奥様は先ほどお屋敷に着いたばかりです。まだお屋敷のご案内も済んでおりませんし、神使のご紹介も、表の顔の使用人の案内すらできておりません!」と叫ぶ声と共に移動する足音が近づいてくる。
すでに響いてきた単語からすると、移動の際に聞いた神代の時代からの神様がこちらに向かっていることが分かるのみ。
花嫁としてお屋敷に招かれているのだからご挨拶はしてしかるべきだとは分かるが、着いて着の身着のままの色打掛を羽織っただけの姿で良いのだろうか?
色打掛の下は普段着の簡単な和装でしかないのだが。
そんな形で、思考しつつも固まっているうちに私の部屋だと言われたところに旦那様と奥様が到着した様子。
「佐彦。無事に花嫁を迎えに行けたのね!良かったわ。ようやく佐彦に花嫁が出来て!」
とっても楽しそうに歓迎ムードで入って来たのは、天宇受売命と言われる神代でも有名な女神様。
そのお隣には、猿田彦神がいてやはり神々しい。
佐彦様も美丈夫であられるが、ご両親たる神様たちも間違いなく美男美女の神様夫婦である。
「まぁ、本当に可愛い子。佐彦の母よ、よろしくねメノウちゃん」
とっても元気な明るい神様のお母様。
その隣には落ち着いた雰囲気の猿田彦神が寄り添っており、二人はとってもお似合いである。
「佐彦の父の猿田彦だ。昔からの約定がようやく果たされ私たちも嬉しい。白鷗家との約束は人の世が落ち着いた頃になされていたが、なかなか巫女が産まれず、生まれても十七歳になれぬまま儚くなっていてな。佐彦の花嫁が来てくれて、私も安心した」
白鷗家には巫女が産まれていたはずなのに、儚くなるとはこれ如何に?
まぁ、昔は短命だったりもあっただろうけれど。そんなに昔からの約束がようやく果たされたらしい。
「ざっと、二千年近いかしらね。ようやく約定の花嫁が迎えられて天宮も安泰だわ」とお母様は言っている。
さすがは神様といって良いのだろうか、約束に関する年代のスケールの桁が違うと思う……。
「ふふ、神様にとっては二千年もそんな大した時間ではないわ。私たちは悠久を司る者たちでもあるし、神に死ぬという概念は存在しないもの」
私は無事に天宮の大屋敷で神様たちに大歓迎で迎え入れられた。
「私で良いのでしょうか?」
お嬢様として過ごしたこともない、異能が顕現するとは聞いているがまだ異能の自覚は無い。
「もちろん。だってあなたが約束の娘であることは、その髪と瞳の色が証だもの。銀の髪と紫の瞳の娘を神の花嫁として迎え入れると白鷗家と約束していたからね」
そうして、ご両親との挨拶と共にそのまま衣裳部屋でのお着替えを済ませて一緒に食事をすることになった。 着替えたのは初めての、可愛らしいワンピース。
「家族での食事だもの、ドレスなんて着るだけで疲れるわ。お腹いっぱい食べてほしいし、ワンピースが良いわね」
というお母様の発言により、栄と松の二人が選んだのは佐彦様の瞳の色の薄藍のワンピース。
ふんわりとしたシルエットの柔らかくも可愛らしいワンピースは私にぴったりで驚く。私の驚きを察したのか着せつけてくれた栄が一言。
「ふふ。私、いい仕事しました」
栄によれば、私の様子を見に行く佐彦様についていき、私をじかに見た栄がサイズと容姿を把握し、こんな色が似合う、こんな生地が良いと佐彦様に直談判し生地を購入。ワンピースも着物もドレスも作ったのだという。
「栄、すごい。私も着物は縫えるけれど、ワンピースやドレスは着物以上に困難でしょう?」
和装より洋装の方が工程も多く作り上げるまでが大変そうだ。
「まぁ、たしかに大変ですが。私眷属も子も多いですから」
糸目で微笑む栄は確か、蛙の神使。
確かにお子さん多そう。
「栄の一族は天宮の一族の衣装を一手に引き受けているのです。数がものをいうのと、意外と手先も器用だし、デザインなんかも学んで反映するので天宇受売命様もいつも喜んでいるのですよ」
栄について語る松も誇らしげ。
自分たちの仕事に誇りをもって仕えていることが伝わる。
「松の一族は掃除や屋敷の修繕に料理を一手に引き受けているのですよ。神使も得手不得手があるので、分担してお屋敷を回し、主人を支えているのです」
この都一の大屋敷は神様の住まい、それを支える神使で成り立っているのだと私もここに来て感じた。
「おや、清廉なる花嫁様ですな」
そんな声が聞こえたのは、食堂に向かう道すがら。
「おや、爺がここに居るのも珍しい」
爺と呼ばれた男性は私を見つめながら微笑んだ。
「良き花嫁様を迎えられてなによりじゃ。異能の顕現も直であろうな。庭が歓喜しておるから」
そんな言葉を残して、爺と呼ばれた男性は立ち去る。
「今のおじいさんは?」私の疑問には松が答えてくれた。
「爺も神使の一人で狸なんだ。庭師だよ」
この広い大屋敷の庭を管理する庭師さん。
それにしても、庭が歓喜ってどういうことなんだろう?私が疑問に思っているうちに食堂へとたどり着いた。
「あぁ、良く似合っている」
食堂に着いた私にまずそう声をかけてくれたのは佐彦様。そして、迎えに来て手を引かれて佐彦様の隣の席に案内されて座る。
「佐彦の色が良く似合うわね。とっても素敵よ、メノウちゃん」
先ほどと同じように、楽しそうに声をかけてくれるお母様に、同意するように頷くお父様。
「これは、いろいろ服を作らねばなるまい。栄、好きなだけ生地を買ってメノウの服をもっと作りなさい」などと、お父様が言い出したのには驚いた。
「父上、メノウは大変綺麗なので衣裳部屋が一つでは足りないかと。三つに増やしたいのですが」
いやいや今の衣裳部屋もまだゆとりがあります、それをあと二つも作るとはどういうことなのでしょう?
私の身体は一つしかありません、服は一日に寝巻と昼間の服で二着が限界ではありませんかね?着るの。
さすがに声に出して言えないから心の中で言っています。表情に出ていたようで、お母様がけろっとおっしゃいます。
「このまま佐彦と結婚して契りを交わすとメノウちゃんはね、神様の嫁として神人になるの。だから、人の理から外れて神様と同じような存在になる。寿命も無いし、老いないから今のサイズでたくさん服を作っておいていいのよ」という説明に、私は驚いたまま固まってしまったのは言うまでもなく。
人じゃなくなるのがどういうことか、神様と同じような存在って言われても想像できない。神様にも初めてお会いしたくらいだし。
「どう変わるのかが、想像もつかないですが。分かりました」という返事しか出来なよね……。
しかし天宮家はつまり神様が当主のお家だとすると、ずっと当主が変わっていないお家だから繫栄し続けているということになるのだろうか。
「天宮家はね、表立っては当主交代しているけれど実質私たちがずっとこのうちに居るから栄えているとは言えるわね。国のトップだけは私たちの正体を知っているの。そして加護を与えるかは私たち次第だから。国の守りが強固か否かはその時の国のトップ次第なのよ」
神様ですものね、気に入るかは神様次第なのだからそれはそうとしか言いようがないような。
「国の守りとは?」
そんな私の疑問にはお父様もお母様も微笑むだけで答えてはくれなかった、もちろん佐彦様も。
「あなたが、私と夫婦の契りを交わしたら、お教えしましょう。あなたが神人になった時に」
それに頷き、食事会はスタートした。
一ノ宮で質素な夕飯にカステラが一切れで終わっていたので、食事会の食事も食べられた。
九つの仕切りのある器に、綺麗に盛り付けられた和食は華やかでとても美味しくてびっくりした。
こんなに美味しい料理があるのだと、感激でお肉も魚もお野菜もどれでも美味しいのが素晴らしいと完食してしまった。
ちゃんと質素ながらいつもの夕飯を食べていたのにと自分の食欲に驚いていると、そんな私をお父様もお母様も佐彦様も微笑ましそうに見守ってくれた。
「さて、そろそろかしらね」
そんな一言と共に、私の中でカチっと何かが切り替わった感覚がすると庭先の蝶や鳥の声が聞こえてくる。
『ようやっと佐彦様に花嫁が来た』
『ほんに可愛らしい花嫁様だこと』
『神使達もえらく気に入ったのは、この清廉な気のおかげだろうね』
『あなたたち私たちの声、彼女には届くみたいよ?』
最後の声は食堂の庭先にある大きな桜の木からだった。
「鳥も、虫も、木の声すらも聞こえるようなのですが」そんな私の言葉に、皆は一つ頷くと佐彦様が言った。
「メノウの異能は、生き物の声を聴くことだね。それは生きる物であればどんなものの声でも聴ける稀有な異能だよ。私の仕事も一緒に手伝ってもらえると有難いな」
そんな佐彦様の言葉に頷きつつも、いきなり聴こえ始めた声に戸惑いを隠せないのだった。



