そうした、過酷な双子育児を乗り超えた私はそこで得た聴感覚の共有で、さらに付喪神や生き物たちの治療を拡大させていった。
それにどんなに頑張っても泣き止まないという母子の相談にも乗るようになった。
言葉が分からない時期の子育ての孤独と苦悩は計り知れない。
私みたいに分かればきっと心の負荷が軽くなると相談に応じるようになった。
すると、子育て中の神使達からの相談が相次ぎ答えていくことでかなりの手助けになった様子だった。
「メノウ様、ありがとうございます。このなんか不快は諦めて抱っこし続けるしかなにのですね」
「えぇ。うちの子たちにもよくあったわ。とにかくなんか不愉快はもう解決策が無いから抱っこし続けるか別の人にバトン達してみる位しか対処法が無かったのよね。だから、無理せずにね」
なんて回答をしたり、時には幽世のお屋敷でお預かりすることもあった。
そんなことをしているうちに、育児に困ったら天宮のお屋敷に行って相談すると良いと口コミが広まって幽世の住人達に頼りにされることとなった。
そうして過ごしているうちにうちの朝陽と夕月は五歳になっていた。
もうしっかり話すし、走って歩いて自分で着替えてと一通り自分で出来るようになった双子はたまに預けられる子たちにはお兄ちゃんお姉ちゃんぶってお世話をしてくれるようになった。
その様子は大変可愛いもので、癒しの空間と化している。
そこには大抵お母様も混じっていて、とっても楽しそうなので見守っている。
そんなことをしていたからか、いつの間にか幽世の育児の神様と言われるようになってしまったが私もまだまだ子育て中なのである。
「気を付けてね」と今日の相談者を送っていると後ろからポスンとくっついてくる二人に私は微笑んで言う。
「二人とも、今日のおやつは松と旦那さんが作ってくれた焼きリンゴよ。取れた甘いリンゴにさらにはちみつとシナモンで味付けした美味しいリンゴになっているわよ。食べる?」
私の問いかけにぱぁと笑顔の花が咲き二人は元気よく答える。
「たべる!」
食堂に駆けて行こうとする二人に私は一声かける。
「まずは手洗いしてからよ!」
私の声に「はーい」と応えながらも駆けていく。
すっかり足の速い二人には既に私は追いつけない。
「メノウ、今日も相談事だったかい?」
幽世で穢れ払いをしていた佐彦様が帰ってきた。
「おかえりなさいませ。えぇ、今日も庭師のおじいちゃんの家系の神使からのご相談に応じていました。皆さん子育てではご苦労なさっているから。少しでも話して共感してもらって、心の疲れが癒えたならまた頑張れますから。そんなよりどころになれたらと思います。私もまだまだ育児中ですけれどね」
私の答えに佐彦様は微笑んで頷く。
「まだまだと言うけれど、メノウは既に朝陽と夕月をしっかり育てている素晴らしいお母さんさ。自信を持っていい。助けてくれる手があってもなるべく自分で頑張ろうというその姿勢はずっと変わらないし、だからこそうちの子たちはママが大好きだからな」
「子どもたちにも恵まれていますから」
私の返事に抱きしめて髪と額にキスを落とす旦那様は、私が双子を産んでもなお私を愛おしむことを大切にしてくれる。
子ども達のお母さんだけれど、佐彦様にとっては私はいつまでも花嫁であると言葉でも態度でも示してくれる。
親だけど、夫婦で愛し合うことは当たり前というその深い愛情に包まれて。
「やっぱり、私はあなたの花嫁になって幸せです。愛しています、佐彦様」
私の言葉に嬉しそうにほほ笑む、その顔をみるのが大好きだから。
微笑み合って、甘く口づけを交わす。
ちょっとゆっくりしていたら、なかなか来ない私を二人が迎えに来てキスを目撃される。
「もう、パパとママはずっと仲良しよね」
「どっちもお互いが大好きだからね」
そんな二人にお母様が言った。
「あなたたちのお父様はママを二千年近く待っていたのだから、ようやく愛する人を得られたのよ。大目に見てあげてね」と。
そんな言葉に苦笑するも佐彦様は、私に微笑んで告げる。
「確かに二千年待った。でもメノウに出会えたらそんな時間も消えるほどの幸せに包まれたんだから、待った甲斐があったさ。メノウに出会えたことと夫婦になれたことが俺の幸せなのだから。愛してる」
温かい抱擁と、キス。いつまでも愛情表現を忘れない旦那様と共にその後も神としては珍しく子だくさんとなる佐彦神と巫女姫はその後家庭円満や恋愛成就の象徴とされ、子宝の神様としても敬われた。
長き時の中で、常に寄り添う姿勢を忘れない巫女姫は母の鏡であり、良き理解者として幽世の住人たちにも慕われた。
つつがなく、長く続いたがそれでも神人だったがゆえに巫女姫は惜しまれつつも世を去ることとなる。
それでも、その精神は巫女姫の子どもたちに引き継がれていき天宮家の女性陣は子育ての神様として現世でも幽世でも慕われ続けている。
神様の花嫁になった巫女姫はとても幸せに暮らしましたの言葉に続くまで、たくさんのことがありながら、晩年巫女姫はたくさんの子どもと孫やひ孫に囲まれて穏やかに暮らしていた。
家庭円満のコツについては最後のころにこう答えている。
「愛し愛されて、互いを思いやり慈しむことを忘れないことね。あとは日々に感謝の気持ちを忘れないことそれが家庭円満の秘訣よ」と微笑みの絶えなかった巫女姫。
たくさん語り継がれることとなり、それはそれは長く続いていくのだった。
神話という物語となって。
それにどんなに頑張っても泣き止まないという母子の相談にも乗るようになった。
言葉が分からない時期の子育ての孤独と苦悩は計り知れない。
私みたいに分かればきっと心の負荷が軽くなると相談に応じるようになった。
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「メノウ様、ありがとうございます。このなんか不快は諦めて抱っこし続けるしかなにのですね」
「えぇ。うちの子たちにもよくあったわ。とにかくなんか不愉快はもう解決策が無いから抱っこし続けるか別の人にバトン達してみる位しか対処法が無かったのよね。だから、無理せずにね」
なんて回答をしたり、時には幽世のお屋敷でお預かりすることもあった。
そんなことをしているうちに、育児に困ったら天宮のお屋敷に行って相談すると良いと口コミが広まって幽世の住人達に頼りにされることとなった。
そうして過ごしているうちにうちの朝陽と夕月は五歳になっていた。
もうしっかり話すし、走って歩いて自分で着替えてと一通り自分で出来るようになった双子はたまに預けられる子たちにはお兄ちゃんお姉ちゃんぶってお世話をしてくれるようになった。
その様子は大変可愛いもので、癒しの空間と化している。
そこには大抵お母様も混じっていて、とっても楽しそうなので見守っている。
そんなことをしていたからか、いつの間にか幽世の育児の神様と言われるようになってしまったが私もまだまだ子育て中なのである。
「気を付けてね」と今日の相談者を送っていると後ろからポスンとくっついてくる二人に私は微笑んで言う。
「二人とも、今日のおやつは松と旦那さんが作ってくれた焼きリンゴよ。取れた甘いリンゴにさらにはちみつとシナモンで味付けした美味しいリンゴになっているわよ。食べる?」
私の問いかけにぱぁと笑顔の花が咲き二人は元気よく答える。
「たべる!」
食堂に駆けて行こうとする二人に私は一声かける。
「まずは手洗いしてからよ!」
私の声に「はーい」と応えながらも駆けていく。
すっかり足の速い二人には既に私は追いつけない。
「メノウ、今日も相談事だったかい?」
幽世で穢れ払いをしていた佐彦様が帰ってきた。
「おかえりなさいませ。えぇ、今日も庭師のおじいちゃんの家系の神使からのご相談に応じていました。皆さん子育てではご苦労なさっているから。少しでも話して共感してもらって、心の疲れが癒えたならまた頑張れますから。そんなよりどころになれたらと思います。私もまだまだ育児中ですけれどね」
私の答えに佐彦様は微笑んで頷く。
「まだまだと言うけれど、メノウは既に朝陽と夕月をしっかり育てている素晴らしいお母さんさ。自信を持っていい。助けてくれる手があってもなるべく自分で頑張ろうというその姿勢はずっと変わらないし、だからこそうちの子たちはママが大好きだからな」
「子どもたちにも恵まれていますから」
私の返事に抱きしめて髪と額にキスを落とす旦那様は、私が双子を産んでもなお私を愛おしむことを大切にしてくれる。
子ども達のお母さんだけれど、佐彦様にとっては私はいつまでも花嫁であると言葉でも態度でも示してくれる。
親だけど、夫婦で愛し合うことは当たり前というその深い愛情に包まれて。
「やっぱり、私はあなたの花嫁になって幸せです。愛しています、佐彦様」
私の言葉に嬉しそうにほほ笑む、その顔をみるのが大好きだから。
微笑み合って、甘く口づけを交わす。
ちょっとゆっくりしていたら、なかなか来ない私を二人が迎えに来てキスを目撃される。
「もう、パパとママはずっと仲良しよね」
「どっちもお互いが大好きだからね」
そんな二人にお母様が言った。
「あなたたちのお父様はママを二千年近く待っていたのだから、ようやく愛する人を得られたのよ。大目に見てあげてね」と。
そんな言葉に苦笑するも佐彦様は、私に微笑んで告げる。
「確かに二千年待った。でもメノウに出会えたらそんな時間も消えるほどの幸せに包まれたんだから、待った甲斐があったさ。メノウに出会えたことと夫婦になれたことが俺の幸せなのだから。愛してる」
温かい抱擁と、キス。いつまでも愛情表現を忘れない旦那様と共にその後も神としては珍しく子だくさんとなる佐彦神と巫女姫はその後家庭円満や恋愛成就の象徴とされ、子宝の神様としても敬われた。
長き時の中で、常に寄り添う姿勢を忘れない巫女姫は母の鏡であり、良き理解者として幽世の住人たちにも慕われた。
つつがなく、長く続いたがそれでも神人だったがゆえに巫女姫は惜しまれつつも世を去ることとなる。
それでも、その精神は巫女姫の子どもたちに引き継がれていき天宮家の女性陣は子育ての神様として現世でも幽世でも慕われ続けている。
神様の花嫁になった巫女姫はとても幸せに暮らしましたの言葉に続くまで、たくさんのことがありながら、晩年巫女姫はたくさんの子どもと孫やひ孫に囲まれて穏やかに暮らしていた。
家庭円満のコツについては最後のころにこう答えている。
「愛し愛されて、互いを思いやり慈しむことを忘れないことね。あとは日々に感謝の気持ちを忘れないことそれが家庭円満の秘訣よ」と微笑みの絶えなかった巫女姫。
たくさん語り継がれることとなり、それはそれは長く続いていくのだった。
神話という物語となって。



