なんか、パシャパシャうるさいな。そう思いながらも眠気に負けて無視する。
「陽太。起きて。」
その声にハッとすると、電車のこの車両に乗っているお客さんは数人しかいない。
「今!」
慌てて駅名を見ると目的地の二個前の駅だった。
「大丈夫だよ。ちゃんと起こすって約束したでしょ?」
みゆは僕が起きたのを確認すると手に持っていたスマホを見て微笑んでいる。
「誰か、からの連絡?」
「うん?いや、写真を見てただけ。そろそろ降りる準備しようか。」
みゆが隠すのはいつもの事。でも僕は彼女でもないし、いつもスルーしている。たまになぜか痛む心に無視をして。
「早めに来たのにもうこんなに混んでるよ!」
アイス屋さんまではそんなに人いなかったのに店の前だけ並んでいる人がいる。まだおやつの時間でもないのに。
「並ぼうか。何味がいい?」
「えーと、僕は。」
「あれ!?東堂君?」
みゆの苗字を呼ばれたから思わず僕まで振り返ると、中学生の頃の同級生がいた。
「……久しぶり。」
僕は思わずみゆの後ろに隠れたから、みゆの表情は見えない。しかもこの子たち苦手なんだよね。連とは違う、不快にさせるタイプの明るい人達と言った方がいいかな?
「あれ?堂本君?」
名前を呼ばれてびくっと跳ねる。恐る恐る顔を出すと、みゆが手で顔を覆う。
「どうしたの?こんなところで。」
「ああ、みんなでお出かけ!」
みゆは顔を出すなと言いたいのか僕の顔を隠して話を続ける。この人たちも別に僕に興味がないから話に乗っている。
「なんでここに?」
「なんでって、東堂君がよく話してたから気になってな!そういえばさ、横浜がさ、昨日……!」
みゆの表情は見えないけど中学の頃のみゆの声そのままで僕にしか見せない笑みとは違う。僕に見せる方が自然だけど、中学の頃のほうが楽しそう?で悲しくなる。そして今も、知らない話や、みゆの声にだんだん辛くなってくる。
一歩、一歩、静かにゆっくり後ろに下がっていく。僕は今のほうが楽しいけどみゆはどうなんだろう。
「でさ!この後、みんなで集まるから来ない?!
「俺は、」
少し躊躇してるみたいだから背中を押そう。そうだよ。僕と居るより楽しそうだし。
「みゆ、行ってきな。僕、一人でも大丈夫だから。」
視界が歪んで涙がこぼれるのを抑えながら、口角を何とか上げてみゆから離れる。
「……本当に大丈夫?」
「うん!」
僕が自分の服の裾をバレないようにぎゅっと両手で握ると、
「ごめんな。償うって言ったのに。大丈夫。どこにも行かない。」
みゆはすぐに近寄ってきて、人前だから抱きしめず、その代わりに僕の頭を撫でる。
「みんな、ごめんけど行かない。」
「えー。皆、東堂君が来たら大喜びなのに!」
「……行かない。あ、俺らの番だね。じゃあ、また今度。」
ちょうど順番が来たからガラスのドアを開けて、昔のような雰囲気の店の中に入る。食べるスペースはいっぱいのようだ。
「何にするー?」
「いいの?行かなくて。」
「陽太まで言うのー?いいんだよ。陽太と居る方が幸せだから。」
普段の笑みとは違って少しにやけ気味に口角を上げて片目をつぶってウインクをする。
「ありがとう。」
僕は幸せで胸がいっぱいで涙は消えた。その代わり恥ずかしくなってメニュー表をじっと見て誤魔化した。
「ありがとうございました!」
アイスを買って、店内では食べれなさそうだから外に出る。
「あ、東堂君!やっぱりさ!」
まだ、めげずに話しかけようとしてきたが、みゆはいろんな人の声でうるさくて聞こえないふりをして、通り過ぎて行った。
「ここで食べようか。」
近くの公園まで歩いて行って、人気の少ないところでたまたまあったベンチに座る。
「うーん。美味しい!」
「ふふ。やっと笑ってくれてよかった。笑顔を見るために連れてきたのにごめんな。」
「ううん、大丈夫!」
僕はさっきのみゆの言葉を噛みしめてにやけている。
「何考えてるの?」
「うん?みゆが僕と居るのが幸せって嬉しいな!って。」
そう言い終わる前にみゆは強く抱きしめてくる。いつもより温かいのは僕が照れてるせいか、太陽が当たっていて温かいせいか、分からないけどポカポカして気持ちいい。
「そういえば、だいぶ温かくなってきたね!」
「そうだな。そろそろ体育祭の準備が始まるな。」
『楽しみ?』って聞こうとして止まる。だって、みゆは僕から離れて頭を抱えている。
「大丈夫?」
「いや、スポーツは問題ないけど、応援団がな。俺、そんなに声でないし、キャーキャー言われるしな。」
そう。みゆは去年も嫌がっていたが、応援団姿を見たい女子生徒が凄くお願いしてくる。ちなみに、康太も一緒で。王子二人は大変なようだ。そして、去年は何とか避けたが、今年こそは!と盛り上がっているらしい。
「まあ、大丈夫だろう。今年も逃げ続けよう。」
そんな話をしていたら、
「ねえ。堂本君。ちょっといいかしら?」
普段はいい子だけど、本気になると怖い女子たちに僕は捕まってしまった。
「陽太。起きて。」
その声にハッとすると、電車のこの車両に乗っているお客さんは数人しかいない。
「今!」
慌てて駅名を見ると目的地の二個前の駅だった。
「大丈夫だよ。ちゃんと起こすって約束したでしょ?」
みゆは僕が起きたのを確認すると手に持っていたスマホを見て微笑んでいる。
「誰か、からの連絡?」
「うん?いや、写真を見てただけ。そろそろ降りる準備しようか。」
みゆが隠すのはいつもの事。でも僕は彼女でもないし、いつもスルーしている。たまになぜか痛む心に無視をして。
「早めに来たのにもうこんなに混んでるよ!」
アイス屋さんまではそんなに人いなかったのに店の前だけ並んでいる人がいる。まだおやつの時間でもないのに。
「並ぼうか。何味がいい?」
「えーと、僕は。」
「あれ!?東堂君?」
みゆの苗字を呼ばれたから思わず僕まで振り返ると、中学生の頃の同級生がいた。
「……久しぶり。」
僕は思わずみゆの後ろに隠れたから、みゆの表情は見えない。しかもこの子たち苦手なんだよね。連とは違う、不快にさせるタイプの明るい人達と言った方がいいかな?
「あれ?堂本君?」
名前を呼ばれてびくっと跳ねる。恐る恐る顔を出すと、みゆが手で顔を覆う。
「どうしたの?こんなところで。」
「ああ、みんなでお出かけ!」
みゆは顔を出すなと言いたいのか僕の顔を隠して話を続ける。この人たちも別に僕に興味がないから話に乗っている。
「なんでここに?」
「なんでって、東堂君がよく話してたから気になってな!そういえばさ、横浜がさ、昨日……!」
みゆの表情は見えないけど中学の頃のみゆの声そのままで僕にしか見せない笑みとは違う。僕に見せる方が自然だけど、中学の頃のほうが楽しそう?で悲しくなる。そして今も、知らない話や、みゆの声にだんだん辛くなってくる。
一歩、一歩、静かにゆっくり後ろに下がっていく。僕は今のほうが楽しいけどみゆはどうなんだろう。
「でさ!この後、みんなで集まるから来ない?!
「俺は、」
少し躊躇してるみたいだから背中を押そう。そうだよ。僕と居るより楽しそうだし。
「みゆ、行ってきな。僕、一人でも大丈夫だから。」
視界が歪んで涙がこぼれるのを抑えながら、口角を何とか上げてみゆから離れる。
「……本当に大丈夫?」
「うん!」
僕が自分の服の裾をバレないようにぎゅっと両手で握ると、
「ごめんな。償うって言ったのに。大丈夫。どこにも行かない。」
みゆはすぐに近寄ってきて、人前だから抱きしめず、その代わりに僕の頭を撫でる。
「みんな、ごめんけど行かない。」
「えー。皆、東堂君が来たら大喜びなのに!」
「……行かない。あ、俺らの番だね。じゃあ、また今度。」
ちょうど順番が来たからガラスのドアを開けて、昔のような雰囲気の店の中に入る。食べるスペースはいっぱいのようだ。
「何にするー?」
「いいの?行かなくて。」
「陽太まで言うのー?いいんだよ。陽太と居る方が幸せだから。」
普段の笑みとは違って少しにやけ気味に口角を上げて片目をつぶってウインクをする。
「ありがとう。」
僕は幸せで胸がいっぱいで涙は消えた。その代わり恥ずかしくなってメニュー表をじっと見て誤魔化した。
「ありがとうございました!」
アイスを買って、店内では食べれなさそうだから外に出る。
「あ、東堂君!やっぱりさ!」
まだ、めげずに話しかけようとしてきたが、みゆはいろんな人の声でうるさくて聞こえないふりをして、通り過ぎて行った。
「ここで食べようか。」
近くの公園まで歩いて行って、人気の少ないところでたまたまあったベンチに座る。
「うーん。美味しい!」
「ふふ。やっと笑ってくれてよかった。笑顔を見るために連れてきたのにごめんな。」
「ううん、大丈夫!」
僕はさっきのみゆの言葉を噛みしめてにやけている。
「何考えてるの?」
「うん?みゆが僕と居るのが幸せって嬉しいな!って。」
そう言い終わる前にみゆは強く抱きしめてくる。いつもより温かいのは僕が照れてるせいか、太陽が当たっていて温かいせいか、分からないけどポカポカして気持ちいい。
「そういえば、だいぶ温かくなってきたね!」
「そうだな。そろそろ体育祭の準備が始まるな。」
『楽しみ?』って聞こうとして止まる。だって、みゆは僕から離れて頭を抱えている。
「大丈夫?」
「いや、スポーツは問題ないけど、応援団がな。俺、そんなに声でないし、キャーキャー言われるしな。」
そう。みゆは去年も嫌がっていたが、応援団姿を見たい女子生徒が凄くお願いしてくる。ちなみに、康太も一緒で。王子二人は大変なようだ。そして、去年は何とか避けたが、今年こそは!と盛り上がっているらしい。
「まあ、大丈夫だろう。今年も逃げ続けよう。」
そんな話をしていたら、
「ねえ。堂本君。ちょっといいかしら?」
普段はいい子だけど、本気になると怖い女子たちに僕は捕まってしまった。
