僕にだけ愛の重い王子様な幼なじみ君

「うーん!疲れた!」

楽しみすぎてみんなで何するか話したり、奈緒さんは見れないけど僕らのために映画をつけてくれたりしてあっという間だった。

「ありがとうございます。奈緒さん。」

僕は奈緒さんの目の前に立ち顔を見てお礼を告げる。

「本当に可愛いね!生意気な高校生とは思えない!」

奈緒さんが頭に手を伸ばして撫でようとするが、みゆが間に入ってくる。久しぶりに他人が僕に触ってくるのを嫌がってるのを見れて少しだけ安堵の息を吐いて、顔に熱が集まる。でも、触れてこないことに少し違和感を感じたけどすぐに消えた。

「本当に陽太君と美幸君を見てると甘ったるいわ。
ほら!行くよ!」

奈緒さんは勘弁してくれとため息をつき行ってしまった。僕らも向かった。

「みゆ!ありがとう。」

重い荷物を運んでいてバランスを崩しそうになった時にみゆが来て助けてくれる。

「無理すんな。」

みゆは余裕そうに持っていく。僕も他の荷物を持って後を追う。

「できたぞ!」

荷物を運び終わると、連と康太のテントを立てる組も完成したみたい。連は満足そうに汗を拭いている。

「ありがとう!」
「じゃあ、早速、川で遊ぶか!!」

連は服の下に水着を着ていて服を脱いで川へ走っていく。

「あ!このおバカ!川遊び靴を履かずに行くな!」

奈緒さんは靴をもって後を追っかける。連はお姉さんのこと自分中心だって言ってたけど、わざわざ連が怪我しないように靴を持って行ってるなんて。なんて優しいんだ。

「俺らも行く?」

気づけば康太は服を脱いでいて靴を履き替えている。奈緒さん!ここにも浮かれてる人いますよ!

「行こうか。」
「よっしゃー!」

僕とみゆも服脱いでラッシュガードを着て、夏だから日焼け止めを塗って、靴を履いて歩いて川へ向かう。

「ああ!気持ちいい!」

暑かったから足だけとりあえず入れた。川は山の中だから深いエメラルドグリーンで、中々冷たくて、空気が澄んでいる。魚いるかな?と探していると、

「うわ!」

ゴーグルとか水鉄砲とか奈緒さんが持ってきてくれたものをフル装備して僕に攻撃してくる連。

「陽太君!これ使って!」

山の中のため長袖長ズボンで川に入る気のない奈緒さんが外から水鉄砲を渡してくれる。

「くらえ!」
「は!?姉ちゃんずるいよ!この強いの無いって言ってたじゃん!」

二人で騒ぎながら水鉄砲で遊んでいると水着を着てるのに川に入らないみゆが目に入る。

「みゆ?入らないの?」
「わ!」

一瞬でみゆが後ろから、水を入れて準備万端だった水鉄砲を取り出し、僕に当てる。でもなんで今まで入ってこなかったんだろう。

「陽太が連とばっかり遊ぶから陽太がこっち見てくれるのを待ってた。」

みゆは意見を言うとすぐに目を逸らした。なんで待ってたんだろう。来てくれてよかったのに。

「気持ちいいね。」

みゆは前髪をかきあげてオールバックにする。どこか色気を感じる雰囲気を感じていると、みゆは川に入り泳いでいる。


「みんなご飯よ!」
「わーい!」

川でだいぶ長い時間遊んでいると、奈緒さんが昼ご飯を用意してくれたみたい。ありがたく向かおうとすると、タオルを持ってきてないことに気づく。

「陽太。」

先に出たみゆがタオルを持ってきてくれた。てっきり拭いてくれると思ったら渡される。期待してた僕に違和感がある。なんか距離あるよね。

「うーん。美味しい!」

あの違和感は忘れることにしてご飯を楽しむ。バーベキューみたいにいろんな物を焼いてくれる奈緒さんに甘えて、川遊びで腹ペコだったから沢山食べる。お肉もあって幸せ。
すると、みゆはティッシュペーパーをとって僕に近づいてくる。口元に触れるギリギリで止まる。

「……ついてるよ。ここ。」

みゆはハッとした顔をしたあと、眉をひそめて渡してくれる。

「……ありがとう。」

やっぱり距離置かれてるよね?せっかく楽しいキャンプが、心の奥底でみゆが気になっている。


「みんなー。そろそろ一回出て!」

昼ご飯が思ったより早く終わり、すぐに川に入って数時間後。まだ日は出てるけど休憩のため奈緒さんの声に従ってテントに戻った。

「何する?」
「まあ、ダラダラしようぜ。」
「いいね!」


「う、」

瞬きをしただけのはずだが、気が付くと辺りは少し暗くなっていて寝ていたみたいだ。起き上がると連と康太も寝ていた。

「あ、起きた?」

僕が奈緒さんとみゆの様子を見に行こうと動いていると、みゆが物音に気付きやってきた。

「うん。ごめんね。」
「大丈夫。二人も寝てるし。あ、アイス食べる?」
「うん!!」

二人が起きちゃうから静かに喜ぶ。そしてアイスが入ってるところからみゆは取り出す。

「これ、二個しか持ってきてないから二人には内緒な?」

渡されたアイスは少し高かった。二人のが無いのは申し訳ないけどこのアイスには負けてしまった。

「食べようか。」
「うん。」

すぐ隣にいて肩も触れるぐらい近いのに僕は見るけど、みゆは目を合わせなかった。