はしゃぎ疲れて眠りそうになっているのかもしれないとも考えました。何せ私は腕に時計を巻いたりしていませんでしたし、壁には時計の一つもかかっていません。今が何時で、この正当なる行為がどのくらいの時間行われているのか知る由がない。もしかすると自分で思っている以上に時の進みが早いのかもしれないと思い、するとこれがしているのは眠気を催しているだけなのか、それとも体力が削られ消耗しているということなのか、わかるはずもありませんでした。
男児を引きずるようにしてこの地下室に入ったのは昼過ぎのことです。記憶にあった最後の時刻は午後一時一〇分頃でした。あれから一体、偽証に満ちた世界ではどれだけ時間が経過したのでしょうか。この子のいなくなったのに気づいた両親は、警察に届け出ていたかもしれません。
私は、この子を連れてくる際には自分の関わったと言う証拠を全て抹消していました。そのつもりです。万に一つも手違いを起こしてはいないはずです。私の計画通りになれば、警察に捕まることはない。安全に、この拷問を終えてその後の余生を謳歌することができる。
もしこの行為が上手くいったなら、私は二つ、得ることができます。一つは、この不条理で欺瞞に満ちた世界に真実を突きつけてやれると言うこと、もう一つは、私の生きた証をこの世に残すことができるということ。私の思惑が、具体的な形となり残される。レガシー、これが、この世に遺される。
すっかり子供が泣くのをやめていました。さまざまな考えに取り憑かれていると、時の流れるのはあっという間のことです。これまでの人生、そうして呆けて無駄に過ごしていたのかもしれません。
私は一度、地下室を出ました。あと何回この梯子に足をかけることができるかわかりませんが、やれるところまでやってみようと思います。これが今の生きがいになっているような気さえします。
地上に戻ると、あたりはすっかり宵闇に包まれていました。町はひっそり息を引き取ったみたいに静かになっています。いえ、虫だけが存在を許されているかのように盛大に鳴いています。虫以外の生き物は、幅を効かせるのを夜の開けるまで我慢せよと命令を下されているかのようです。
遠くの方でパトカーのサイレンの音が聞こえた気がしました。気がするだけで実際がどうかは知りません。私の逮捕されるかもしれないと言う恐怖が生んだ幻聴かもしれません。
音の聞こえた(ような気がする)方へ視線を投げると、暗闇に沈んだ山々が見えました。標高は決して高くはありません。山たちが、独特なうねりを持ったシルエットで佇んでいます。山は月明かりに体を晒しています。これが一番、月光浴するにあたって月の光がよく当たる姿勢なんだよと言いたげでした。山は太陽により育てられるが、月とも深い関わりを持っているのだ。そう感じました。
男児を引きずるようにしてこの地下室に入ったのは昼過ぎのことです。記憶にあった最後の時刻は午後一時一〇分頃でした。あれから一体、偽証に満ちた世界ではどれだけ時間が経過したのでしょうか。この子のいなくなったのに気づいた両親は、警察に届け出ていたかもしれません。
私は、この子を連れてくる際には自分の関わったと言う証拠を全て抹消していました。そのつもりです。万に一つも手違いを起こしてはいないはずです。私の計画通りになれば、警察に捕まることはない。安全に、この拷問を終えてその後の余生を謳歌することができる。
もしこの行為が上手くいったなら、私は二つ、得ることができます。一つは、この不条理で欺瞞に満ちた世界に真実を突きつけてやれると言うこと、もう一つは、私の生きた証をこの世に残すことができるということ。私の思惑が、具体的な形となり残される。レガシー、これが、この世に遺される。
すっかり子供が泣くのをやめていました。さまざまな考えに取り憑かれていると、時の流れるのはあっという間のことです。これまでの人生、そうして呆けて無駄に過ごしていたのかもしれません。
私は一度、地下室を出ました。あと何回この梯子に足をかけることができるかわかりませんが、やれるところまでやってみようと思います。これが今の生きがいになっているような気さえします。
地上に戻ると、あたりはすっかり宵闇に包まれていました。町はひっそり息を引き取ったみたいに静かになっています。いえ、虫だけが存在を許されているかのように盛大に鳴いています。虫以外の生き物は、幅を効かせるのを夜の開けるまで我慢せよと命令を下されているかのようです。
遠くの方でパトカーのサイレンの音が聞こえた気がしました。気がするだけで実際がどうかは知りません。私の逮捕されるかもしれないと言う恐怖が生んだ幻聴かもしれません。
音の聞こえた(ような気がする)方へ視線を投げると、暗闇に沈んだ山々が見えました。標高は決して高くはありません。山たちが、独特なうねりを持ったシルエットで佇んでいます。山は月明かりに体を晒しています。これが一番、月光浴するにあたって月の光がよく当たる姿勢なんだよと言いたげでした。山は太陽により育てられるが、月とも深い関わりを持っているのだ。そう感じました。
