モニモンくんの旅行記


・【08 岐阜県を旅したよ!(2)】


問い1.モニモンくんが最初に行った場所は何と何の境目がある?
問い2.モニモンくんが最終目的地で買ったお土産は何?
問い3.ズバリこの場所はどこ?(今回お店の名前は途中で出てきます、地名をお答えください)

 まず僕とモニモンくんは最終目的地手前の公園に訪れた。
 公園と言うには本当に小さい広場なんだけども、ここには大きな目玉があった(奥に散策していくと広いのかもしれないけども、基本的にはほぼ普通の森)。
 モニモンくんが感慨深そうに、
「ここが境目……」
 と語尾のモニを鳴らさずに呟いた。ここは本当、本当の言葉なんだ、本当の言葉が出るんだ。
 でも、
「僕にとっては何かすごいなと思うけども、モニモンくんからしたらそこまでの感慨深さ無いでしょ」
「いや何かこうやって記していることがまずすごいと思うんだモニ」
 記している。
 確かに石碑というか石に白い文字でハッキリと書かれている。これはもう分かりやすい。
 ここが境ということが一目瞭然である。可視化されている。可視化され過ぎていると言ってもいいだろう。
 モニモンくんは嬉しそうに、
「地球の構造だモニ」
 と笑った。さすがに大きく出過ぎだ。日本の構造くらいだろう。いや地球の構造でも一応合っているのか。
 モニモンくんは顔だけうしで、人型の全身白タイツ状態から、手乗り状態になって僕に写真を撮らせた。
 この状態になると顔が無表情になり、口も無くなるわけだけども、喋ることはできるみたいだ。
 モニモンくんはハシャイでいるような声で、
「いっぱい撮るモニ!」
 と言うが、口は無いし、顔のパーツも一切動いていないので、何か変な感じだ。
 僕はいろんな角度から写真を撮っていると、モニモンくんが、
「矢印が耳の間に収まるようにだモニ!」
 と変な指示が飛んできて、どういう美的感覚なんだとは思った。まあ収まったほうが綺麗に見えることもあるかと写真見てから思った。
 というか、しっかり矢印で表現していて、しっかりし過ぎて逆に滑稽でさえある。
 確かに名称は人間が決めたけども、内容は人間が決めたものではないので、その矢印が示すことはかなり正確なわけだけども。
 モニモンくんは満足そうに元の姿に戻って、人型で、
「じゃあそろそろ、ソフトクリーム屋さんへ行って食べるモニ」
「本当にモニモンくんはソフトクリームが好きだね」
「あれはもう至高の料理だモニ」
 図らずも美味しんぼになってしまったと思いながら、僕はこの分水嶺公園からワープして最終目的地へ飛んだ。
 来たらすぐにソフトクリームあるだろうなということが分かった。うしのオブジェがいっぱいだからだ。
 パッと見、分水嶺公園よりも広い敷地内で、好きなうしのオブジェベンチに座って食べられる感じだ。
 モニモンくんはバンザイしながら、
「うしがいっぱいモニ!」
 と叫んで、うしのフォルムを至高だと思っているんだろうなと思った。
 お店の名前はたかすファーマーズ、どうやら”たかす”は地名ではないらしい。
 この場所はちょっと高山というか高い位置にあるので、平場の気温からすると結構涼しい。
 そこがうしに適しているということなんだろう、うしは涼しい環境を好むから。
 よく考えると木々もちょっと低いかもしれない、それはさすが思い込み過ぎだろうか、でもまあ岐阜県は全般的に高度があるからなぁ。
 お店の中に入ると、多種多様な乳製品の数々で”ちょっと農業やってます”という感じのお店ではない。かなり本格的な会社って感じだ。
 とは言え、モニモンくんの言う通り、
「早くソフトクリーム食べるモニ!」
 と言ったので、二人でソフトクリームを食べることにした。お金は勿論モニモンくんのおごりだ。有難い。
 外のうしのベンチに二人で座り、モニモンくんはソフトクリームを一口舐めたところで、
「美味しいモニ! 何か! 嫌なクセが全然無いモニ! 濃厚なのに爽やかモニ!」
 言いたいこと全部言っちゃったなと思いながら、同調するように頷いた。
 でもモニモンくんが何か言ってほしそうに僕のほうを見てきたので、
「スッキリとした牛乳をそのままソフトクリームにしたみたいで本当に食べやすいソフトクリームだね」
 と一応何か言ってみると、モニモンくんは満面の笑みになったので合っていたんだと思った。一応ご機嫌はとったほうがいいから。
 ここで仲違いしてワープさせてもらえなかったら、僕は岐阜県からヒッチハイクすることになるから。いやそうだそうだ、そう考えたらもっとちゃんとお金持って行動したほうがいい。
 モニモンくんにおごってもらえるからご相伴にあずかっていたけども、そういう仲違いパターンもありえるんだから僕もちゃんと所持金無いとダメじゃん。このタイミングで気付いて良かったし、もう岐阜県のような遠いところはあんまりオススメしないことにしよう。
 できるだけ僕の住んでいる新潟県近郊が良い。新潟県のプレゼンをしっかりやっていこう。行くにしても、あとは福島県か。
 まあ最初の段階で旅行へ行った写真をたくさん見せてしまったせいで、僕が過去に旅行したところには行きたがるけども、ある程度は新潟県の周辺までなのでなんとか喧嘩してもギリ大丈夫だろう。岩手県が一番遠いだろうか、茨城県が一番遠いだろうか。いやそんな思考は今、どうでも良くて。
 モニモンくんは僕の思いなんて露知らず、上機嫌でソフトクリームを食べ終えて、立って背筋を伸ばしていた。そういう人間の伸ばしみたいな行動もするんだ。
 モニモンくんは僕が食べ終わるところを待って、二人で改めてお店の中に入っていった。
 周りの観光客は勿論、店員さんもモニモンくんには何も言わない。そういうもんだと思っているみたいだ。着ぐるみ着ている人みたいな。
 現代社会の恩恵を最大限に感じながら、僕とモニモンくんは店員さんにお話を聞きながら、お土産を選んだ。
 モニモンくんは嬉しそうに買った箱を見ている。やっぱり大きめだ。家に戻ったら一人で食べるのだろうか。
 するとモニモンくんが、
「帰ったら一緒に食べるモニ」
 と笑ったわけだけども、二人でも多いだろとは思ってしまった。
 モニモンくんは続ける。
「この夜の高原は本当に良いところだモニ。空気が澄んでいるモニ」
「よるではないよ、ひらがなで書いてあるんだから間違わないで」
 ベタだったので、ツッコミのような言い方でそう言うと、モニモンくんは満足そうに頷いたので合っていたんだ、良かった。
 ちょっと間が空いてからモニモンくんが、
「モニモンはタルト生地が好きだモニ」
「そうだね、下はタルト生地と店員さんが言っていたね」
「いっぱい食べるモニ!」
「それは本当にそうして、僕も少しは食べたいけども、そんなホールの半分は食べられないよ」
「そう言えば、マヒロくんのデジタルカメラに残っていた御用邸のヤツもいつか食べたいモニ」
「那須のヤツだね、那須の御用邸は確かタルト生地じゃなかったよ」
「じゃあどうしようモニー」
 と首を斜めにした。いやめっちゃ美味しいけどな、そんなタルト生地が好きなんだ、じゃあもうタルトを買えば良かったのに。
 外に出て、高原の空気をいっぱい吸ってから、家に戻った。家で食べたそのお土産は案の定いっぱいあって、モニモンくんがほとんど全部食べた。






・『答え発表』


問い1.太平洋と日本海の境目
>名称は人間が決めたけども、内容は人間が決めたものではないの部分で、県境ではないことが分かる。県境ならそれも人間が決めたものだから。
 分水嶺公園という呼び名から水を現わしていることが分かるかもしれない。言い得て妙なネーミングで、すごく良いセンスだと思う。





問い2.チーズケーキ
>このままだとヒントが少ない! と思ったので、別の地域のチーズケーキ、御用邸チーズケーキの話を出しました。
 那須と言えば、御用達の御用邸チーズケーキ。実はこっちしか購入したことがない。
 たかすファーマーズのチーズケーキは検索して、下がタルト生地ということが分かりました。
 まあ乳製品の会社のホールと言えば、チーズケーキですよね? 多分。





問い3.ひるがの高原(岐阜県郡上市高鷲町ひるがの)
>ちなみに分水嶺公園も正しくは、ひるがの分水嶺公園です。
 最後のひらがなやら夜の高原やらは最後に追加しました。ヒントが薄かったので。元々高原という単語は最後の最後で出す気でしたが。





その他.
>分水嶺公園もたかすファーマーズもたまたま見つけた場所でした。これは私の旅行中の話です。
 分水嶺公園は本当に良いところで写真を撮ったなと思いました。モニモンくんの写真が撮れたの大きかったなぁ。
 まあ私は”こうし”と本当は呼んでいるわけですが。モニモンくんは小説用に作った名前です。