モニモンくんの旅行記


・【06 岐阜県を旅したよ!(1)】


問い1.モニモンくんが最初の観光地で食べた”すったて汁”とは茹でた何をすり潰した料理?
問い2.モニモンくんが行っている、二ヵ所目以降の場所は何市?
問い3.ズバリ最終目的地はどこ?

 まずは白川村近くの道の駅で、モニモンくんはすったて汁という汁物を食べることにしたみたいだ。
 勿論道の駅なのでソフトクリームはあるわけだけども、今日はこのすったて汁の気分というわけか。
 相も変わらず、自然豊かで、霧が出ているような高山で、相も変わらず顔だけうしで、体は全身白タイツみたいな人型でいるわけだけども、やっぱり浮いている。
 結構地元の人も多い道の駅っぽいので、普通に浮いている。でもまあ深く関わり合いを持ってこないあたりは現代人。それでいい。
 モニモンくんは椀に入ったすったて汁を見て、キャッキャッと喜んでいる。
 見た目は真っ白。具材として輪切りのネギが浮いている。まさに郷土料理といった感じだ。
 モニモンくんが嬉しそうにつゆを飲むと、目を見開きこう言った。
「牛乳じゃないモニ! 甘くないモニ!」
「えっ、スープ状のソフトクリームだと思っていたの?」
「マヒロくんと一緒モニ……」
「いや僕は普通にしょっぱい汁物だと思っていたけども」
「本当にしょっぱいモニ……」
 僕はう~んと考えてから、
「何か気分じゃないなら、残りは僕が食べようか?」
「ううん! モニモンが飲むモニ! 美味しいは美味しいモニ! 豆の香りが濃いモニ!」
「豆の香りって、コーヒーみたいに言わないでよ」
 と普通に言っただけなのに、モニモンくんはゲハゲハ笑いながら、
「全然コーヒーじゃないモニ! そもそも白いモニ!」
 そういうことじゃなくて、とか何か言おうとしたけども、まあいいやと思ったので黙ることにした。
 腹は立つけども、モニモンくんも機嫌が良さそうなので、これ以上言い合う必要は無い。
 モニモンくんはかなり美味しそうにずびずびと飲んでいる。
 とは言え、
「豆って何の豆?」
「汁物の豆に決まっているじゃないか!」
 と、またゲハゲハ笑ったモニモンくん。
 ちゃんと回答してほしいところだけども、なんとなく分かった。
 汁物の豆と言えば、相場が決まっている……んだけども、でも何でこんなに白いんだろうか。
 普通汁物と言えば茶色くなるはずなのに、僕が思っている豆ではないのだろうか。
 あ、すったて汁の説明が書いてあった、あれを読もう。
 ……なるほど、一旦茹でているからこんなに牛乳みたいに白くなるわけか、そもそもあれか、そういうヤツもあるもんな、ちゃんと考えたら。
 元々は祝い事の日に出された料理か、確かにめでたそうな見た目はしている。
 後ろを振り返ると、モニモンくんが椀を持って近付いてきていて、僕の横にあるカウンターに椀をお店に返したと思ったら、
「もう一杯もらうモニ!」
 と言ったので、今度は僕も一緒に頂くことにした。今日がめでたい日になりますように。
 すったて汁は優しい味で心が整うって感じ。塩気もちょうど良くて、口当たりまろやかでモニモンくんが二杯目にいったのもよく分かった。
 二人ですったて汁を堪能したところで、次の目的地へワープすることにした。
 次の場所では、五つ玉みたらし団子を頂いた。ここの名物らしい。
 モニモンくんはみたらし団子を初めて食べたみたいで、大層うっとしりしていた。
 僕も一本食べたわけだけども、一個が小さめで食べやすくて、団子の旨味も強くて、みたらしの甘じょっぱが最高だった。
 ふと、
「モニモンくん、次はどこに行くの? お城とか八幡さんとかにも行く?」
「いいや、モニモンは食道楽の気分だから道の駅だけでいいモニ」
「そんな、車で旅しているみたいな行程」
「今の道の駅はすごいってモニモンの世界で噂になっているモニ」
「確かに今の道の駅はすごいけどもさ」
 モニモンくんはワープして、道の駅古今伝授の里やまとに着いた。
 足湯はあるみたいだけども、モニモンくんは足湯には興味無いみたいだ。本当に全身白タイツなのかな? 靴ナシの。
 併設されているパン工房からクルミレーズンパンを選んでベンチで食べ始めた。
 僕も少し分けてもらって食べたわけだけども、クルミがしっかり和グルミで歯ごたえと香ばしさが段違いの美味しいヤツだった。
 レーズンの甘さもちょうど良くて、とても食べやすい、言うなれば朝に食べたいパンだった。
 またしてもモニモンくんはワープして、そこでは豚ほほ肉のベーコンを頂いた。
 にくにくしい旨味溢れるベーコンで、なんというか米が欲しかった。さすがにこれは米が欲しかった。
 モニモンくんはベーコンにかじりついていたので、アンチ牛肉・豚肉というわけではなさそうだった。うしみたいな見た目のヤツが食っているの、違和感あるけども。
 次は道の駅大日岳に行って、って、ここの市めっちゃ道の駅多いな! さすが大きい市だけある。
 なんとなく岐阜の中心都市みたいなイメージがあるけども、本当に多種多様な道の駅がある。 
 ここでモニモンくんはカレーを食べることにしたみたいだ。僕はそんながっつりは要らないので、ソフトクリームを食べることにした。
 モニモンくんが食べているカレーには素揚げ(だと思われる)ヨモギ(だと思われる)が乗っていて、そんなカレーあるんだといった感じ。
 ヨモギって餅とかに入れるヤツでしょ、確かに天ぷらとかは聞くけども、素揚げはまた珍しい。
 でもモニモンくんはたいした感動も無さそうに、そのヨモギとカレーを一緒に食べている。まだまだ日本の食に対して乏しいんだろうな。
 食べ切ったモニモンくんは満足げに、
「美味しいカレーだったぁモニぃ!」
 とデカい声をあげて、こんなヤツは現実の日本にはいないなぁ、と思った。テーブルに座った状態で言うヤツはいない。車に戻って家族に言うとかだったらあるけども。
 そんなこんなでついに最終目的地にワープした。
 最終目的地の傍では、綺麗な川が流れていて、空気が澄んでいる。リバーサイド道の駅。
 モニモンくんは目移りしながらも、ズンズン進んでいくので、僕もついていくと、石碑があって、まずはそれで写真撮影ということになった。
 『清流長良川の鮎の碑』と書いてある。鮎が有名なら当然、というわけで僕とモニモンくんは鮎の塩焼きを食べることにした。
 こういう食事は普通にモニモンくんが奢ってくれるので有難い。
 鮎は骨から頭まで全部食べられる美味しい魚だ、味は淡泊ではあるんだけども、飽きがこないというか、まさしく全部食べたくなる味だ。旨味が強いというか。
 その場で焼いているので、香ばしさも強くて、少し多めの塩がまた美味しい。ヒレはパリパリで、身はふっくらといった感じ。
 モニモンくんは即座に二本目にいったけども、僕はさすがに人のお金なので自重した。
 ここの場所は二つの施設が隣接している。
 ここにいるだけでだいぶ遊べるなぁ、といった感じだが、モニモンくんはもう満足げな顔をしている。
 僕は、
「道の駅でお土産買ったら、もう帰るのかい?」
 と聞くと、
「まあそうだモニねぇ、お土産いっぱい買って帰るモニよー」
 とサムアップした。
 確かに、高校生である僕の放課後に来ているので時間はそんなに無いけども、もうちょっとパークのほうを散歩してもいいのにとか思ったけども、モニモンくんは食道楽の気分と言っているし、まあこれでいいんだろうな。
 僕とモニモンくんは鮎の甘露煮などを買って、自宅に戻って行った。ちなみに戻る時は一気にワープができた。
 じゃあ本当は一気に最終目的地につけるのでは? まあ周りを遊びたいということなんだろうな、それが旅行だしな。






・『答え発表』


問い1.大豆
>豆の香りで大豆を示唆しています。汁物に使う豆と言えば、ほぼ大豆ですね。
 改稿前は豆乳という単語を入れていましたが、それはもう『皆まで言うな』案件なので削除しました。





問い2.郡上市
>お城や八幡さんに行かないのが、一番のヒント。郡上は郡上八幡と言いますからね。
 イメージとして、あくまでイメージとして、岐阜の中心都市というところも感覚ですが、大きなヒントだったのかな、と。





問い3.道の駅白山文化の里長滝・清流長良川あゆパーク
>石碑が最大のヒントというか、これしか基本的にヒントが無いという状態。どう出せばいいか分からなかった。
 一応ずっと郡上市なので、最終目的地となる大きな道の駅と言えば、で、出るかどうか。
 適時グーグルマップを併用して頂けると有難いです。





その他.
>とにかく郡上市は鮎が有名で、他の道の駅でも鮎は堪能できます。
 でも今回はラストが道の駅白山文化の里長滝・清流長良川あゆパークだったので、鮎は他では食べませんでした。