モニモンくんの旅行記


・【11 岩手県を旅したよ!(1)】


問い1.釜石が推しているスポーツとは?
問い2.モニモンくんが買ったゆるキャラはタコと何?
問い3.モニモンくんが最終目的地で撮ったオブジェの基になっている小説のタイトルは何?

 今日は土曜日だったので、僕とモニモンくんは岩手県をたくさん巡ることにした。
 とは言え、午後からのスタートだけども。午前中はモニモンくんがずっとニンテンドースイッチ2をやっていた(僕と)。
 マリオカートワールドとカービィのエアライダーを交互に遊んでいて、もう今日は観光に行かないのかなと思ったら、午後から行く気満々だった。
 昼ご飯は食べずに、まずは道の駅高田松原へ行った。
 モニモンくんはソフトクリームと、うしにしか基本興味が無いと思っていたので、歴史的なところに行きたいと言うのは意外だった。
 着いたと同時にモニモンくんは顔だけうしで、人型の全身白タイツ状態から手のひらサイズになり、
「ここは厳かに行くモニ」
 と言った。
 あの全身白タイツ状態って、やっぱりふざけていたんだと思った。
 そうだよな、あれが良いはずないもんな、普段からふざけている人のユーモアだもんな、全身タイツって。
 まずは遠くから奇跡の一本松を眺めながら、高田松原津波復興祈念公園を歩いていく。
 長い一本道で綺麗に整備されている。道の周りは芝生になっていて、無人芝刈り機が動いている。
 いつものモニモンくんならその無人芝刈り機に乗りたいくらいのことは言い出すだろうけども、ここではそんなことも言わない。
 階段を上がると、祭壇のようになっている場所に着き、透明なガラスの塀で守られた場所に来た。奥には海が輝いている。
 何も無い。穏やかな海だ。それも場合によっては豹変する。
 僕はこの手のひら状態のモニモンくんに口が無くて良かったと思っている。変に笑っている口元だったら何か嫌だから。
 モニモンくんの写真を撮って僕はまた道の駅へ戻って行った。
 道の駅に来てからワープして、今度は釜石へ行くことにした。ワープするにはまた全身白タイツ状態にならないとダメらしいから。
 まずはシープラザ釜石の周辺を歩くことにした。日本製鉄の建物にはここら辺で有名なスポーツの絵が描かれていた。
 それを見ながらモニモンくんが、
「思っているサッカー像ではないモニ」
「なんせサッカーじゃないからね」
「ガタイが良いモニ」
「まあサッカー選手にもフッキみたいな人いるけども」
 そんな会話をしながら、JR釜石の中を見たりした。
 まあどこに行ってもこのスポーツ一色、ワールドカップも確か開催したらしいし、当たり前だけども。
 ポスターやパンフレットを見て、2019年にワールドカップがあったことが分かる。
 シープラザ釜石の中には特設コーナーもあり、そこではゆるキャラであるそばっちがその格好をしていた。頭の蕎麦の部分にヘルメットというか防御を付けるとは。中身の蕎麦、食べづらそう。というか闘ったら絶対中身の蕎麦が垂れるでしょ。
 この建物内の飲食店で海鮮丼を食べてから、次は道の駅釜石仙人峠へ行った。
 勿論モニモンくんの目当てはゆるキャラのそばっちだ。モニモンくんはゆるキャラのぬいぐるみが大好きなので。
 しかしなかった。なかったわけだけども、モニモンくんは小躍りしながら、
「釜石虎愛というゆるキャラがいたモニ! これも買うモニ!」
 このスポーツのボールを手に持った虎のゆるキャラだ。読み方は”とらあい”らしい。まあそのまんまだ。
 モニモンくんはウキウキで、そのぬいぐるみを買って、即座に亜空間に放り込んだ。決して三十分くらい愛でてからではない。即亜空間だ。
 でもまあその後、可愛がるんだろうなとは思っている。
 次は南三陸町さんさん商店街へワープした。
 ここはコンテナのような形のショップが大量に並んでいる、本当に街のようなショップ群だった。
 そこでまずは大きなパネルの前で写真を撮る。宝船にいろんなモノが乗っているパネルだ。カラフルで可愛い。鉢巻を巻いたタコが宝船の先端にいて。七福神のようにちょうど七体いるわけだけども、何故にこれが? みたいなメンバーもいた。この商店街を歩けば答えが分かるのだろうか。
 本当に、スイーツ屋さんからお土産屋さん、飲食店に地場産ショップなど、多種多様なお店があって目移りしてしまう。
 どれも興味をそそる外観、それに今日は休日なので活気がある。そんな中、モニモンくんは人型でいるわけだけども、何かみんな見て見ぬフリをしてくださって有難い。
 こんな良くないユーモアのユーチューバーのことは視界に入れないほうが吉なのである。
「今日は食べたい放題だモニ!」
 本人だけは気にせずジャンピングガッツポーズをかましているが、道の駅松原高田ではこの格好でうろつかなかったあたり、本当は分かっているのかもしれない。
 宇宙人の圧倒的な科学力でもう少しなんとかならなかったのだろうか。それとも地球人のことを舐めているのだろうか。なんとなく後者のような気がする。
 モニモンくんの買い食いは止まらず、僕に毎回勧めてくれるけども、そこまで僕は大食いじゃないので、そこそこに。
 モニモンくんが列に並んでいる間に、最初の宝船の謎が解けてきた。
 どうやら本家の国から贈呈されたらしい。これは世界初という話だ。まあ確かにこの像は門外不出のイメージがある。
 東京の何か駅にあるのは確か偽物というか非公認だったはず。だから名前も違う。いや今は公認になったのか、ううん、何も覚えていないというか元々知識が無い。
 パンフレットによると、1960年のチリ地震津波からの復興を願う『チリ共和国との友好の証』で、2011年の東日本大震災からの『復興のシンボル』らしい。
 ふと、そのパンフレットが置いてあったお土産屋さんを見ると、僕はビックリして、すぐにモニモンくんを呼んだ。
 何故ならそれのぬいぐるみがあったからだ。既にモニモンくんは鉢巻をしたタコのぬいぐるみは買っていたのだが、そのタコのぬいぐるみがあったお店屋さんには、このぬいぐるみは無かったのだ。
 普通ぬいぐるみのあるお店屋さんにはその土地のぬいぐるみがまとめて置いてあるものだけども、なんとこの商店街では別々の場所でそれぞれ売られていた。
 モニモンくんは上機嫌で、
「マヒロくん! 大手柄だモニ!」
 と急いでそのぬいぐるみを購入して、亜空間に放り込んだ。
 モニモンくんもかなり満足そうだ。
 ただし、
「そばっちがいないモニ……」
 と少しだけ肩を落としているようなので、言ってあげることにした。
「県を代表するゆるキャラって結構空港にあるよ」
「行くモニ!」
 モニモンくんとワープして空港に行くと、案の定そばっちのぬいぐるみがあって、モニモンくんは僕に抱きついてきた。
 全身白タイツの人型と知り合いだって思われたくないなぁ、と思いつつも「良かったね」と労った。
 結構いろいろ行ったので、割と夕方に近くなってきた。
 僕とモニモンくんは最終目的地である道の駅みやもりへ行った。
 とは言え、ここは写真を撮るだけらしいけども、モニモンくんはとにかくこの小説が好きらしい。
 なら「他にもパークがあるはずだけども」と助言したんだけども、この道の駅のオブジェが良いらしい。一番解釈一致らしい。
 そんな二次創作オタみたいな日本語使うなよと思いつつ、僕はそこでモニモンくんの写真を撮った。
 この人影の角度が良いらしい。何かマニアックだな。
 ふと、僕は、
「じゃあ小説読んだことあるの?」
「勿論あるモニ! 地球というか日本の娯楽は宇宙一だモニ!」
「まあそう言われて嫌な気はしないけども」
 と僕が相槌を打つようにそう言うと、モニモンくんがゲハゲハ笑ってから、
「日本のこの娯楽と、マヒロくんは全然関係無いモニー!」
「そんなゲハゲハ笑わないでよ、せめて快活にゲハゲハ笑ってよ、何かねちっこいゲハゲハ」
「だってだってだってぇー!」
 またモニモンくんはゲハゲハ笑った。
 キラキラ輝く宇宙が背景の電車のパネル前でゲハゲハ笑う宇宙人。宇宙ってゲハゲハなのかな? あの電車の中にもゲハゲハ笑うヤツがいるのかな?
 何か嫌だな。






・『答え発表』


問い1.ラグビー
>有名なラグビーのチームは日本製鉄釜石シーウェイブス。
 釜石虎愛、まあトライですよね、ボールを手に持っているはラグビーボールです。
 ラガーマンが頭に付けているアレって何なんでしょうね、ヘルメットで合ってるのか何なのか……ヘッドギア・ヘッドキャップって言うらしいです。
 そばっちのヘッドギアは白色でした。





問い2.モアイ
>モアーチョというモアイの赤ちゃんのゆるキャラでした。チリというかイースター島ですね。
 イースター島まで言うと「皆まで言うな」状態なので、イースター島とは書きませんでした。
 宝船の写真、見れる環境だったら見てほしい。タコやモアイが乗った、誰かの夢のような宝船だから。白髭の長老のようなウニもいる。





問い3.銀河鉄道の夜
>岩手県なので宮沢賢治ですね。鉄道とは言わず電車で統一しました。岩手県で鉄道と言ったらもう確定なので。
 銀河も言っちゃいけないですよね、キラキラの宇宙という、変に遠回しの表現になってしまった。
 隠していることが見え見えの、この小説ならではのクソ描写小説具合。





その他.
>空港の写真も撮ってくれば良かった。厳密にはあるんだろうけどもモニモンくんとの写真はナシ。
 元々こんな小説書く予定なんて無かったわけで。本当は写真絵本を予定していました。
 モニモンくん(こうし)と旅している写真絵本。これがなんとなくあった私の予定でした。
 それがまさかクイズ小説になるなんて。この小説を書くキッカケになったコンテストのせいですね。