「……残り5分」
コインランドリーに戻ると、金を入れた場所の横に、残り時間が書いてある。
(すげぇな。ランドリーって)
俺はいつも布団の上でスマホを見ていただけ。「真美子はいつも、こんなことしてたのか……」と思いながら、店内の椅子に腰を下ろした。
(今頃……何してんだ……)
真美子の実家は北海道のはず。さすがに……北海道まで戻ってることはないと思うけれど……いつになったら戻ってくるんだろう。「ラインしてみるか?」と思い、スマホを手に取るけれど……何とメッセージを入れたら良いのか分からない。そのまま左ポケットにスマホを入れた。
ピーーー……
少し控えめな音と共に、ドラムの動きがゆっくりになって……ピタリと止まる。
(これで……1,100円……)
「弁当2個分か」と思いながら、ほかほかに温まった服を、しわくちゃのゴミ袋に再び詰め込んだ。「弁当も洗濯も……結局、金かよ」と、憂鬱な気持ちになって車に乗り込む。
(さて、帰るか……)
「黒猫はいるのか?」と思いながら、俺は車を走らせた。
駐車場に車を停めて、5段ある階段を上る。目線を平屋に向けてみると……綺麗になった皿だけが残されていて、黒猫の姿はない。
(……いねぇのか)
(飯だけ食いやがって……)
左手で皿を持ち上げて、周囲を見回すけれど、やっぱり黒猫の姿はない。耳を澄ましてみても鳴き声すらしない。「腹いっぱいになって、どっか行ったか」そう思いながら、鍵を開けて家に入った。
「おい、飯は?」
「……ちょっと待ってよ」
「洗濯、終わったんだろ?」
「ハンガーにかけておかないと」
「別に良いだろ。んなことしなくたってよ」
「……しわくちゃになるでしょ」
コインランドリーから帰ると、真美子はいつもすぐに服をハンガーにかけていた。俺は自分の持ち帰ったゴミ服を少し眺めて、布団の上に寝転んだ。
(……どうする)
昨日見た求人サイトをもう一度開く。
別に億万長者になりたいわけじゃない。それなりに金がもえられば、それで良い。真美子と2人で暮らしていけるだけの……。内容が楽なら、尚更だ。サイトを下から上にスクロールしていっても、いまいちピンとくるものはない。
(日雇いだったら……すぐ金も入るし)
(……そっちの方が良いよなぁ)
「後は……仕事しながら煙草吸える仕事が良いな」そう考えながら、色々なページを見ているうちに……気付けば眠っていた。
コインランドリーに戻ると、金を入れた場所の横に、残り時間が書いてある。
(すげぇな。ランドリーって)
俺はいつも布団の上でスマホを見ていただけ。「真美子はいつも、こんなことしてたのか……」と思いながら、店内の椅子に腰を下ろした。
(今頃……何してんだ……)
真美子の実家は北海道のはず。さすがに……北海道まで戻ってることはないと思うけれど……いつになったら戻ってくるんだろう。「ラインしてみるか?」と思い、スマホを手に取るけれど……何とメッセージを入れたら良いのか分からない。そのまま左ポケットにスマホを入れた。
ピーーー……
少し控えめな音と共に、ドラムの動きがゆっくりになって……ピタリと止まる。
(これで……1,100円……)
「弁当2個分か」と思いながら、ほかほかに温まった服を、しわくちゃのゴミ袋に再び詰め込んだ。「弁当も洗濯も……結局、金かよ」と、憂鬱な気持ちになって車に乗り込む。
(さて、帰るか……)
「黒猫はいるのか?」と思いながら、俺は車を走らせた。
駐車場に車を停めて、5段ある階段を上る。目線を平屋に向けてみると……綺麗になった皿だけが残されていて、黒猫の姿はない。
(……いねぇのか)
(飯だけ食いやがって……)
左手で皿を持ち上げて、周囲を見回すけれど、やっぱり黒猫の姿はない。耳を澄ましてみても鳴き声すらしない。「腹いっぱいになって、どっか行ったか」そう思いながら、鍵を開けて家に入った。
「おい、飯は?」
「……ちょっと待ってよ」
「洗濯、終わったんだろ?」
「ハンガーにかけておかないと」
「別に良いだろ。んなことしなくたってよ」
「……しわくちゃになるでしょ」
コインランドリーから帰ると、真美子はいつもすぐに服をハンガーにかけていた。俺は自分の持ち帰ったゴミ服を少し眺めて、布団の上に寝転んだ。
(……どうする)
昨日見た求人サイトをもう一度開く。
別に億万長者になりたいわけじゃない。それなりに金がもえられば、それで良い。真美子と2人で暮らしていけるだけの……。内容が楽なら、尚更だ。サイトを下から上にスクロールしていっても、いまいちピンとくるものはない。
(日雇いだったら……すぐ金も入るし)
(……そっちの方が良いよなぁ)
「後は……仕事しながら煙草吸える仕事が良いな」そう考えながら、色々なページを見ているうちに……気付けば眠っていた。



