彼は俺を涼波食品の後継者に指名してから過干渉になった。昨年、某チェーンホテルグループの社長令嬢を婚約者として紹介された。
佐々木雫は当時二十二歳。お仕事体験とばかりに涼宮食品の預かりになった彼女は普通に綺麗な子だった。でも、俺は週二回会える真夏ちゃんに夢中で、他の女に何も感じなくなっていた。
今まで来るもの拒まずで惰性で女と関わって来た自分が嘘みたいだ。俺の頭の中にはいつも冬城真夏がいた。彼女はどこから来たのかというくらい透明で、彼女をこの世の汚いものから守ってやりたいとばかり思っていた。
佐々木雫とは三ヶ月に一回は必ず会うように言われた。
高級中華で適当に彼女を接待していると、急に溜息をつかれる。溜息をつきたいのはこっちの方だ。
回転テーブルをぐるぐる回して不満を表現する俺を佐々木雫は冷めた目で見つめていた。
「雫さん、君も俺に興味ないでしょ。お互い様なのに溜息はないわ。幸せが逃げるよ」
佐々木雫は当時二十二歳。お仕事体験とばかりに涼宮食品の預かりになった彼女は普通に綺麗な子だった。でも、俺は週二回会える真夏ちゃんに夢中で、他の女に何も感じなくなっていた。
今まで来るもの拒まずで惰性で女と関わって来た自分が嘘みたいだ。俺の頭の中にはいつも冬城真夏がいた。彼女はどこから来たのかというくらい透明で、彼女をこの世の汚いものから守ってやりたいとばかり思っていた。
佐々木雫とは三ヶ月に一回は必ず会うように言われた。
高級中華で適当に彼女を接待していると、急に溜息をつかれる。溜息をつきたいのはこっちの方だ。
回転テーブルをぐるぐる回して不満を表現する俺を佐々木雫は冷めた目で見つめていた。
「雫さん、君も俺に興味ないでしょ。お互い様なのに溜息はないわ。幸せが逃げるよ」
