葉山のリゾートホテルのロビーに到着すると、私を見つけるなりズンズン京極清一郎が近づいてくる。
その勢いに思わず逃げ腰になるが、彼は私を横抱きにするとそのまま無言でスイートルームに連行した。
部屋に入るなり、矢継ぎ早に質問される。
「どこに行ってたんだ? 勝手に外出して何かあったらどうするんだ?」
「少し散歩に行っていただけです」
ふとリビングテーブルを見ると、買ってきただろうピザが二枚置いてある。
(どこまで行って買ってきたの?)
なぜか胸が詰まる思いがした。今、私とお腹の子を心配してくれるのは、口が悪いが彼だけだ。
「お腹空いちゃったんで、ピザを食べても良いですか?」
「もう、二時間以上経ってるからまずいと思うぞ」
「きっと美味しいです」
私はサッと手を洗ってくると、手を合わせてピザを食べ始める。ミミの部分が冷えて硬くなってしまっているし、具も時間が経ったせいか油が浮いてしまっていた。
でも、一口食べると、パクパク手が進むくらい美味しく感じた。
手首を急に握って来た京極清一郎と目が合う。彼は少し戸惑ったように目を逸らした。
その勢いに思わず逃げ腰になるが、彼は私を横抱きにするとそのまま無言でスイートルームに連行した。
部屋に入るなり、矢継ぎ早に質問される。
「どこに行ってたんだ? 勝手に外出して何かあったらどうするんだ?」
「少し散歩に行っていただけです」
ふとリビングテーブルを見ると、買ってきただろうピザが二枚置いてある。
(どこまで行って買ってきたの?)
なぜか胸が詰まる思いがした。今、私とお腹の子を心配してくれるのは、口が悪いが彼だけだ。
「お腹空いちゃったんで、ピザを食べても良いですか?」
「もう、二時間以上経ってるからまずいと思うぞ」
「きっと美味しいです」
私はサッと手を洗ってくると、手を合わせてピザを食べ始める。ミミの部分が冷えて硬くなってしまっているし、具も時間が経ったせいか油が浮いてしまっていた。
でも、一口食べると、パクパク手が進むくらい美味しく感じた。
手首を急に握って来た京極清一郎と目が合う。彼は少し戸惑ったように目を逸らした。
