「私、今日の仕事は終わっていて鎌倉駅まで戻る途中なんです。だからついでなのでお代は結構です」
「「ええっ! 良いんですか?!」」
私はご両親に悠太君を挟んで乗せるように促す。
悠太君はキャッキャとご機嫌で、ご両親は風景よりも彼の喜ぶ顔を見ていた。
(なんて、幸せな空間!)
私は幸せな気持ちで胸いっぱいになりながら、観光案内をしつつ彼らを鎌倉駅に送る。
「ありがとうございます。最高の思い出になりました」
「良かったら、また鎌倉に来てください!」
ご家族を見送ると、急に眩暈が襲う。最近なんだかフラフラする事が多い。通常、定員二名のところを子供も乗せたから流石に体に負担が来たのかもしれない。
私は少しだけでも休もうと、地面に俯いてしゃがみ込んだ。
よく考えれば今日は全く水分補給をしていない。春とはいえ熱中症になってしまったかもしれない。
「冬城真夏!?」
頭上から聞いたことのあるような低い声がして、慌てて立ちあがろうとし私はそこで意識を失った。
目が覚めると真っ白な天井。充満する消毒液の匂い。
(病院?)
自分の体調管理が不十分であったが為に誰かに迷惑を掛けてしまった。
「「ええっ! 良いんですか?!」」
私はご両親に悠太君を挟んで乗せるように促す。
悠太君はキャッキャとご機嫌で、ご両親は風景よりも彼の喜ぶ顔を見ていた。
(なんて、幸せな空間!)
私は幸せな気持ちで胸いっぱいになりながら、観光案内をしつつ彼らを鎌倉駅に送る。
「ありがとうございます。最高の思い出になりました」
「良かったら、また鎌倉に来てください!」
ご家族を見送ると、急に眩暈が襲う。最近なんだかフラフラする事が多い。通常、定員二名のところを子供も乗せたから流石に体に負担が来たのかもしれない。
私は少しだけでも休もうと、地面に俯いてしゃがみ込んだ。
よく考えれば今日は全く水分補給をしていない。春とはいえ熱中症になってしまったかもしれない。
「冬城真夏!?」
頭上から聞いたことのあるような低い声がして、慌てて立ちあがろうとし私はそこで意識を失った。
目が覚めると真っ白な天井。充満する消毒液の匂い。
(病院?)
自分の体調管理が不十分であったが為に誰かに迷惑を掛けてしまった。
