ライ君の部屋に泊まった事もバレている。私は彼とも離れなければいけなくなりそうで怖くなった。
「そんな事しません。ちゃんとしたお付き合いをしてます」
「息子には素性の正しい婚約者もいる。君の事は遊びだろうが、迷惑だから消えてくれ」
確かにライ君は恋人はいないと言ったが、婚約者がいないとは一言も言っていない。
「分かりました。一度、早瀬ライさんと話してみます」
私の言葉にドンと脅すように涼波社長が机を叩く。
「もう関わるなと言っている。しつこくするようなら、君を採用した担当者も解雇する。『冬城真夏』なんて冬なんだか夏なんだか分からないような馬鹿丸出しな名前をつける親はどんなかと思えばヤクザだ」
呆れたような涼波社長に私は力が抜ける。私が骨の髄からヤクザの娘なら、今の発言で冬城組総出で涼波食品を襲撃するだろう。でも、彼は私が家を出て極道の世界から逃げたい女だと分かっていて侮辱している。
ここに逃げ込んでくるんじゃないと拒絶され、私の逃げ道は塞がってしまった。
「会社も辞めます。寮も出ます。早瀬ライさんとも二度と会いません」
私は深く頭を下げると涙が溢れる前に社長室を出た。
「そんな事しません。ちゃんとしたお付き合いをしてます」
「息子には素性の正しい婚約者もいる。君の事は遊びだろうが、迷惑だから消えてくれ」
確かにライ君は恋人はいないと言ったが、婚約者がいないとは一言も言っていない。
「分かりました。一度、早瀬ライさんと話してみます」
私の言葉にドンと脅すように涼波社長が机を叩く。
「もう関わるなと言っている。しつこくするようなら、君を採用した担当者も解雇する。『冬城真夏』なんて冬なんだか夏なんだか分からないような馬鹿丸出しな名前をつける親はどんなかと思えばヤクザだ」
呆れたような涼波社長に私は力が抜ける。私が骨の髄からヤクザの娘なら、今の発言で冬城組総出で涼波食品を襲撃するだろう。でも、彼は私が家を出て極道の世界から逃げたい女だと分かっていて侮辱している。
ここに逃げ込んでくるんじゃないと拒絶され、私の逃げ道は塞がってしまった。
「会社も辞めます。寮も出ます。早瀬ライさんとも二度と会いません」
私は深く頭を下げると涙が溢れる前に社長室を出た。
