想い続けた人から信じられないくらい求められた夜が明ける。

眠気まなこを持ち上げると、長いまつ毛を伏せたライ君がいた。
痛いとか、気持ち良いとかどうでも良くなる程に満たされた時間だった。

カーテンの隙間から見える窓が結露している。雪は止んだみたいだが、外はまだ寒そうだ。
この部屋は温かくて、まるで天国みたいで私は多幸感に包まれていた。

私は彼の為に朝食でも作ろうと、バスローブを羽織りキッチンに向かう。

冷蔵庫の野菜室には沢山の生鮮野菜。
ライ君は自炊をしっかりやるタイプのようだ。

昨日、宅配ピザや、レトルト食品を語り自分の普段の適当な食生活を明かしてしまったのを少し恥ずかしく感じた。

「真夏ちゃん?」

寝室の方から聞こえた低い声に私は慌てて、ライ君の元に行く。

「ライ君、何か食べたいものがあれば作るよ」
「もう一回、真夏ちゃんが食べたい」

甘えたような彼の表情と声に私は陥落した。

シーツに包まっているライ君は大型犬のように見える。私はもう一回シーツの中にくるまった。