「こんな美味しいピザ初めて」
「本当に? 真夏ちゃんって褒め上手だな」
ライ君がクスクス笑う。こん風に好きな人二人きりで緊張する空間は初めてだ。
彼と出会ってから私は彼に夢中でバイト先に押しかけた。それでも、所詮は店員とお客。仲良くしていても距離感があったのは確かだ。
「涼波食品のレトルトの青椒肉絲を載せて焼いても美味しいかも」
「真夏ちゃんって本当に涼波食品が好きなんだね」
「大好きだよ。レトルトとか冷凍食品が多いから利便性ばかりに囚われてると思われがちだけど、凄く子供の健康とか考えてるの。働くお母さんの味方だよ。私、働くお母さんに憧れてるんだ」
私の母は所詮ヤクザの女。ヤクザの女は外で働いたりしないで、独特の世界の中で生きている。
母はその環境を愛しているが、私は居心地の悪さを感じていた。
「ホットケーキも食べてみたい」
私が手を伸ばした時にバスローブの紐がライ君に引っ掛かり、するりと解けた。ライ君が無言でその紐を握りしめる。
彼が私の肌けた体をじっと見つめてきて羞恥でどうにかなりそうだ。
私は慌てて自分の体を隠すように抱きしめた。
「どうして? 綺麗なのに」
「本当に? 真夏ちゃんって褒め上手だな」
ライ君がクスクス笑う。こん風に好きな人二人きりで緊張する空間は初めてだ。
彼と出会ってから私は彼に夢中でバイト先に押しかけた。それでも、所詮は店員とお客。仲良くしていても距離感があったのは確かだ。
「涼波食品のレトルトの青椒肉絲を載せて焼いても美味しいかも」
「真夏ちゃんって本当に涼波食品が好きなんだね」
「大好きだよ。レトルトとか冷凍食品が多いから利便性ばかりに囚われてると思われがちだけど、凄く子供の健康とか考えてるの。働くお母さんの味方だよ。私、働くお母さんに憧れてるんだ」
私の母は所詮ヤクザの女。ヤクザの女は外で働いたりしないで、独特の世界の中で生きている。
母はその環境を愛しているが、私は居心地の悪さを感じていた。
「ホットケーキも食べてみたい」
私が手を伸ばした時にバスローブの紐がライ君に引っ掛かり、するりと解けた。ライ君が無言でその紐を握りしめる。
彼が私の肌けた体をじっと見つめてきて羞恥でどうにかなりそうだ。
私は慌てて自分の体を隠すように抱きしめた。
「どうして? 綺麗なのに」
