街の灯りが一本の川のように流れていく。
車は高速道路を走っていた。

真夏ちゃんはハンドルを握ったまま、静かに口を開いた。
「真夏ちゃん、お酒飲んでるから飲酒運転なんじゃ」
俺は真夏ちゃんの変貌ぶりに驚いていた。
(なんだか、二重人格みたいだ)

彼女が素早く車に乗り込んだので、慌てて自分も車に飛び乗った。
今、彼女を逃すと二度と彼女と会えない気がしていた。

「ふっ、貴方が無理やり飲ませたんでしょ、涼波ライ。まあ、私にとってはシャンパンなんてジンジャーエールよ」
「そんな訳ないよ。飲酒運転で捕まったらどうするの?」
「じゃあ、貴方は? 社長になりながらヤクザと繋がりを持って、涼波食品がどうなるか考えた事あるの?」

真夏ちゃんの言葉に胸がザワザワした。
危険だと分かっていても、彼女と繫りを持ちたくて冬城組と繋がりを持ってしまった。

「涼波ライ。双子の父親はあなたよ」
唐突に発せられた真夏ちゃんの言葉に血の気が引く。

「なんで、それを今?」
「貴方があまりに馬鹿だからよ。でも、一生、誰にも言わないで真実は胸の中にしまいなさい」
「そんなのって!」