落ち葉拾いをしてたルイが近付いて来た。カナダの国旗にも描かれている真っ赤なサトウカエデの葉を握りしめている。メープルリーフと呼ばれるその葉は日本のもみじより大きい。

トロントは英語を使うが、カナダの公用語は英語とフランス語。ナーサリーではフランス語の時間もある。

スペイン語での俺たちの会話は理解されてないと分かっているが、ドキッとした。
物騒な話を子供たちには聞かせたくない。真夏が優しく大切に育てて来た子供たちだ。

「今日は今からアリーヤと夢の国に行きましょう」

フロリダには夢の国と呼ばれるファンタジーリゾートがある。
───ファンタジーリゾートか、盲点だったな。

『アリーヤ、プランEを修正する。待ち合わせはファンタジーリゾート内にしよう。あそこは金属探知機がエントランスにある。子供たちを遊ばせて待っていてくれ』

ファンタジーリゾートは金属探知機だけでなく、手荷物チェックも厳重にされる。刃物を持ち込むのさえ難しい。エリア内のレストランから包丁でも盗まない限り武器を調達はできないだろう。