彼女はメキシコをルーツに持っていて、ギャングチームを抜けようとして殺されかけていた所を俺が助けた。
彼女には整形させ、新しい戸籍を買い渡し恩を売ってある。

『プランEだ。相手は堅気の人間じゃないから、双子に危害が及ぶなら殺してくれ』

『了解しました。⋯⋯マイアミは久しぶりだわ。腕がなるわね』

銃を構えるポーズをして、おどけてみせるアリーヤの手は震えていた。
彼女も銃を握るのは久し振りだ。双子の子守りは、故郷と家族を捨て逃げた彼女にも癒しを与えていた。きっと彼女は双子を命懸けで守ってくれるだろう。

プランEは真夏が一人の時に連れ去られた場合の策だ。まず、アリーヤが土地勘のあるマイアミに航路で向かい双子を連れて待機。俺は真夏を取り返し合流する。飛行機の移動は船に比べ足がつきやすい。
それ故に、そこから船でカリブ海に浮かぶアメリカ領のキーウエストに行く予定だ。

ヘミングウェイも愛したキーウェストは自然豊かな島で、何より街中に猫が沢山いる。きっと、逃亡中の真夏の心を心が癒してくれるだろう

「アリーヤどうしたの? 今日は日曜日じゃないよ」