十年以上も彼女の為に生きて来たせいか、見捨てる気などなれなかった。
父親であろう涼波(早瀬)ライに対して、何故か殺したいくらいの憎しみを感じた。でも、双子に何かあった時に彼の臓器や血液を使えると言い聞かせ気持ちを落ち着かせた。
カナダのトロントに来てからも追っ手に気を払わなければならなかった。緊張の解けない日々でも、真夏が幸せなら俺は満たされた。
彼女を喜ばすのが楽しい。子供なんて好きではなかったのに、血の繋がらないサラとルイが可愛くて仕方ない。一緒に暮らすと、どんどん思考が優しい真夏色に染まっていく。
外のベンチで座りながら食べていたエビとアボカドのブリトーをリスに横取りされても、微笑ましく思ってしまう。昔の自分が見たら恥ずかしいと思うくらい俺は腑抜けた優男になっていた。
その日もいつのもように出勤し、十五分おきで真夏の動きをGPSでチェックしていた。
真夏はナーサリーに双子を預け、学校に行き、帰りにスーパーに寄った。
(やっぱり、スーパーに行ったか⋯⋯)
乳製品の特売日には必ずスーパーに寄る彼女。なんだか動きを追っているだけで堪らなく愛おしく感じる。
父親であろう涼波(早瀬)ライに対して、何故か殺したいくらいの憎しみを感じた。でも、双子に何かあった時に彼の臓器や血液を使えると言い聞かせ気持ちを落ち着かせた。
カナダのトロントに来てからも追っ手に気を払わなければならなかった。緊張の解けない日々でも、真夏が幸せなら俺は満たされた。
彼女を喜ばすのが楽しい。子供なんて好きではなかったのに、血の繋がらないサラとルイが可愛くて仕方ない。一緒に暮らすと、どんどん思考が優しい真夏色に染まっていく。
外のベンチで座りながら食べていたエビとアボカドのブリトーをリスに横取りされても、微笑ましく思ってしまう。昔の自分が見たら恥ずかしいと思うくらい俺は腑抜けた優男になっていた。
その日もいつのもように出勤し、十五分おきで真夏の動きをGPSでチェックしていた。
真夏はナーサリーに双子を預け、学校に行き、帰りにスーパーに寄った。
(やっぱり、スーパーに行ったか⋯⋯)
乳製品の特売日には必ずスーパーに寄る彼女。なんだか動きを追っているだけで堪らなく愛おしく感じる。
