パパっ子の二人はどこに行くにも清一郎さんの取り合いだ。ライ君が双子の父親のはずなのに、今の彼が双子を可愛がる姿が想像できない。

サラもルイも特別扱いを喜ぶような子たちではない。愛する人にとって自分が特別であることに幸福を感じる子たちだ。サラもルイも清一郎さんを心から求めている。

「そう? 俺も本当は真夏ちゃんと二人っきりでデートがしたい。俺たち、そういう時間が足りてなかったと思うんだ。双子の男の子の方のルイって名前は、まるで俺の子みたいな名前だね。真夏ちゃんが望むなら子供たちとも仲良くするよ」

「外国でも日本でも通用する名前にしたの。私は子供たちには何にも囚われず自由に生きて欲しいのよ」

今から私は日本に強制送還されようとしている。

サラとルイは? 清一郎さんは?
愛しい私の子たちも極道の世界に囚われるの?
世間から避けられ、暴力と犯罪の世界で生きなければいけないの?

私は清一郎さんを信じることにした。登録していない人間がナーサリーに来てもサラとルイを引き渡すことはない。保育士は私に電話をして通じなかったら、清一郎さんに電話する。