心もとなく感じていたがコンドミニアムに戻る途中の路上で破れてしまった。冷蔵庫に購入品を入れたら、すぐにでもサラとルイのお迎えの時間になってしまう。

私が慌てて落ちた牛乳パックを拾っていると、誰かが手伝ってくれる。ゴツめの男の人から牛乳パックを受け取ろうとすると、急に手をぎゅっと握られた。

『ありがとうござい⋯⋯』
「真夏ちゃん、やっと会えた」

私を愛おしそうに見つめるライ君がそこにいる。サラとルイに受け継がれた美しいアースアイ。夕陽に照らされる彼の瞳には困惑する私が映っていた。大好きだった男だが、私を弄んだ憎むべき男の顔を今は見たくなかった。