玄関先で首を吊った女がいるんだとか

二宮「そうだよ。浩平くんは最初からオカルトが好きだったから、〇〇村の話をしたらすぐに行く気になった。そのタイミングで待ち伏せしてたんだ。でも仕方ないだろ? ほっておけば河島の呪いはまたジワジワと万葉を殺しにくるんだ。必要な犠牲だったんだ」
僕「〇〇村の人たちもみんな?」
二宮「もちろんだよ。そもそもあいつらは万葉へのイジメを黙認したり河島に手を貸していたやつらだ。死んで当然だった」
篤「俺たちのこともイケニエにするのか」
二宮「そうだね。これだけのイケニエを一気に捧げておけば河島の呪いも当分は鳴りを潜めるはずだ」

二宮が後ろ手になにかを取り出すのが見えました。
それはチェンソーだったんです。

二宮「せめて、苦しまないように一瞬で終わらせてあげるよ」

二宮がチェンソーのエンジンをかけて振り上げます。
拘束された僕は動くこともできず、その刃を見つめ上げるしかできませんでした。
チェンソーが振り下ろされる寸前のことです。

篤「くそっ!」

篤の声が聞こえてきたかと思うと、尺取り虫のように上半身をそらせた篤が僕の体の上に乗っかってきたのです。