その言葉に僕はハッと息を飲みました。

万葉「もちろんよ。だって今の今まで儀式をしていたんだもの」

万葉はなんでもないように答えます。
儀式？
そう質問したいけれど急に体がだるくなってきて、ソファに座り込んでしまいました。
篤も、額に汗を浮かべて床に座り込んでしまいました。
僕の視界に湯呑が置かれています。
まさか、あれになにか入れられていた？
そう思ってももう後の祭りでした。
僕の意識は急速に失われていったのです。

☆☆☆

次に目を覚ました時気分の悪くなるような刺激臭に顔をしかめました。
部屋は随分と薄暗くて周囲を確認してみようとしても体が動きません。
そこまできてようやく意識がハッキリとしてきました。
僕はコンクリートのような地面に直接寝かされていて、手足をロープで拘束されているのです。
僕の横には同じように横倒しになった篤の姿もありました。

僕「これはどういう」

混乱してパニックを起こしかけたとき自分の体が濡れていることに気が付きました。
どうにか首から上だけど起こして確認してみると、床に液体が流れているのです。
それが刺激臭を放っているようです。