気のせいかと思って廃屋から離れたそのときです。

男「こんにちは」

聞きなれない声が聞こえてきて視線を向けると、そこにはひとりの男が立っていました。
ひょろりとした体躯、見るからに優男という感じです。

男「もしかして浩平くんの友達ですか？」

突然浩平の名前が飛び出してきて驚いていると、男性が頭を下げてきました。

男「僕は浩平くんの同僚の二宮です。お会いするのは初めてですよね」
篤「あ、浩平の？」

どうして浩平の同僚である二宮さんがここにいるのか理解が追いつかず、篤と目を見かわせました。

二宮「急なことで驚いたと思います。でも君たちが〇〇村へ行くと連絡をくれてからなんだか心配で、追いかけるようにして僕もここまで来たんです」

照れ笑いを浮かべてそう説明する二宮さんに僕はひとまず納得しました。
でも、そこまで同僚のことを心配してくれるということは浩平とはかなり仲良しだったということでしょうか。
浩平から二宮さんの名前を聞いたことはないのですが。

二宮「なにかわかりましたか？

その質問に僕は今まで調べてわかってきたことを説明しました。