僕と篤は意気揚々と山を下りてバラ公園へと急ぎました。
〇〇村に来るまでの道中に見つけていたその公園はかなり広く、遊具が置かれているスペースと広場になっているスペースに分かれています。
遊具が置かれている公園の真ん中にはバラの形をしたテーブルが何個も設置されていて、その周辺は花壇で囲まれています。
今は何の花も咲いていませんが、季節が来るとバラの花が咲き乱れるのかもしれません。

僕「この公園のどこかに河島に繋がるヒントがあるはずなんだ」

僕は確信をもって遊具の周りを調べ始めました。
しかし、目立ったものは特にありません。

篤「なにもないみてぇだな」

土管の中を覗き込んで篤が呟きます。
そんなはずはありません。
だって、僕の推理は間違っていないはずです。
リビングに飾られていたバラの花が脳裏に鮮明に蘇ってきました。
あれが答えを差しているはずなのに。
それでも公園内をどれだけ探してもなにも見つからなくて途方に暮れそうになりました。

篤「もう一度河島家に戻って調べ直そう」
僕「そんな……」

ブンブンと駄々っ子のように左右に首を振った時です。