玄関先で首を吊った女がいるんだとか

廊下左手のドアを開けると10畳ほどのフローリングがあり、右手側にキッチン、左手はリビングになっていてさっき見た庭の金木製の木が見えます。
キッチンの隣には引き戸があり、そこは6畳の和室になっていました。
ただ、その部屋もガランとしていて家具や小物はなにもありません。
噂では住民たちはみんな行方不明になったそうですが、では家具などが残されていないのはどうしてでしょうか?
誰か、管理者がすべて引き取って行ったんでしょうか。

篤「襖がある」

ぼんやりと考え事をしていると、篤が和室の奥へ視線を向けていました。
確かにそこには襖があり、中は押入れになっているようです。
そのとき僕の背中を篤がポンッと押してきました。
思わず一歩前に踏み出してしまいます。

僕「なにするんだよ」
篤「襖の中になにがあるのか調べてみないといけないだろ」
僕「だからって押すことないだろ」

ブツブツと文句を言いながら襖に近づいて行きます。
だけど怖くないわけじゃありません。
いつ車椅子のキィキィという音が聞こえてくるか、心臓は今にも破裂してしまいそうなほど早鐘を打っています。